偶然図書館で見つけて、なんとなく懐かしさに駆られました。
ぐうたらで馬鹿で単純で、実は純情な落ちぶれた私立探偵と彼の恋人の法律大学院生を取り巻く、魅力的で個性的で奇抜な面々と、勧善懲悪では片を付けられない切ない事件の物語。
そう、クラークとアンソニー!
彼らの万年新婚ぶりも楽しみのひとつなんですが、この人以上に切なくて繊細なハードボイルド(と、敢えて言ってみる)を書ける人はいないと思う。
「硝子の街」シリーズもそうなのだけど、海外を舞台にしながらこれほどまでに地に足着いた骨太の物語が書けるのは、逆説的ながら柏枝さんが女性であり、日本人だからなのかもしれないなあとも。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
か行の作家
- 感想投稿日 : 2012年9月23日
- 読了日 : 2002年3月23日
- 本棚登録日 : 2002年3月23日
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