自分自身が旅行者という身分だったからか、旅行中に「異郷で暮らす人びと」に興味を持つようになった。なかでも、中国人はいろいろな場所で目にした。
イラク北部のクルディスタンでも中国資本の商業ビルが建っていたし、ネパールのカトマンズでは小さな中華街が建設中だった。ヨルダンでは、春をひさぐ小姐たちの店で一夜を明かさせてもらったりもした。本国内外を問わず、安くて味の保証された中華料理には幾度となくお世話になっている。まったく、中国人はたくましく生きている。
(この本が定義する)「和僑」=「中国で暮らす日本人」は、いわゆる「勝ち組」だけに限らない。彼らはどうして中国に流れ着いたのか、彼らの目に中国はどう映るのか。
国家としての「中華人民共和国」ではなく、地域の名称としての「中国」が好きだという筆者の論調は、ちょっと暑苦しいと思うところもある。それでも共感を覚えてしまうのは、やっぱり僕も「中国」が好きだからだろう。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
社会、文化
- 感想投稿日 : 2022年4月14日
- 読了日 : 2017年5月3日
- 本棚登録日 : 2022年4月1日
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