何回行っても新鮮なおどろきと感動に出会える「夢の国」ディズニーランド。本書ではみんなをトリコにするディズニーランドの魅力を解き明かしていきます。
著者が一貫して伝えようとしているのは、ディズニーのエンタテイメントの魅力は、ミッキー、ミニーのキャラクターや乗り物、アトラクションの楽しさもあるが、なんといってもキャストの心のこもったサービスが「夢の国」をつくり上げているディズニーマジックのタネであり、何年も変わらず愛され続けている源泉であるということです。
心に残った言葉は、
「ディズニーをブランド化しているのは、ゲストに感動をもたらすサービスを提供する『キャスト(従業員)』です。」(本書P.162)という言葉です。
サービスに対する評価はそのもの単体ではなく、それに付属する環境や設定などおまけ的なものだったりします。
ものだけでなく全体を一つとしてとらえ評価されている気がします。
ディズニーランドでは、いろいろなサービスを受けることができますが、キャスト(従業員)は一番身近で、直に接することができるサービスではないでしょうか。
遊園地ですと、乗り物やキャラクターアトラクションに目がいってしまいがちですが、実際その遊園地などを評価する場合になると、意外と人対人のサービス、清潔さなど脇役的な部分の点数配分が高くなっている気がします。顧客満足ということは、人の気持ちが伝わるサービスができているか、ということが重要なのではないのでしょうか。
よく「企業はヒト」と言われますが、ディズニーランドではそれをみごとに実践しキャスト一人一人が、自分がディズニーランドの一部であると自覚しマニュアル通りのあるいはそれ以上のサービスを提供しています。
これを普通の会社にあてはめようとするのはなかなか難しいことですが、自分の行っている仕事がいかに世の中のため、人々の笑顔につながっているかを心の中に持つことができるのかにかかっているのではないでしょうか。
「レンガをつむ男」の話にもあるように、自分は何のために仕事をしているのか、ただ物体としてのレンガを積み上げているだけなのか、それとも後世に残る町の大聖堂を造るための重要な仕事の一部なのか、同じ作業をしていても認識の違いでモチベーションがまったく変わってきます。
本書には自分の仕事にもつかえる考え方がいくつもあると思います。ディズニーランドを自社に置きかえて読むと、いろいろと学ぶ点が浮かびあがってくるのではないのでしょうか。
- 感想投稿日 : 2013年9月25日
- 読了日 : 2013年9月25日
- 本棚登録日 : 2013年9月25日
みんなの感想をみる