12/5/23 WBS スミスの本棚 玄侑宗久
岡倉天心は明治時代に日本の伝統美術を海外に広めることに奔走し、ボストン美術館の東洋部長も務めた国際派だった。「茶の本」は、1906年にニューヨークで「THE BOOK OF TEA」と題し英語で出版された本を翻訳したもの。茶道をテーマに東洋の文化の独自性と素晴らしさを描いた。
「東西を問わず重んぜられているのは茶道というアジアの儀式だけなのである。白人はわれわれの宗教と道徳を嘲笑してきたが、この褐色の飲料はためらいもなく受け入れたのである。」(「茶の本」より)
玄侑さんは、西欧化していく社会の中で初めて西洋と違う日本の文化を訴えた天心の本を、今こそ日本人は読んでほしいと話す。「東洋にも日本にも独自の在り方があり、それに従った独自の文明を築いてきたはずです。ところがそのことを西洋人に対し、明快に説明できる人がいなかった。岡倉天心は、それを初めて果たした人物」(玄侑さん)
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カテゴリ:
茶道
- 感想投稿日 : 2019年5月31日
- 本棚登録日 : 2019年5月31日
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