英文収録 茶の本 (講談社学術文庫)

  • 講談社 (1994年8月10日発売)
3.79
  • (39)
  • (50)
  • (61)
  • (5)
  • (0)
本棚登録 : 675
感想 : 50

12/5/23 WBS スミスの本棚 玄侑宗久

岡倉天心は明治時代に日本の伝統美術を海外に広めることに奔走し、ボストン美術館の東洋部長も務めた国際派だった。「茶の本」は、1906年にニューヨークで「THE BOOK OF TEA」と題し英語で出版された本を翻訳したもの。茶道をテーマに東洋の文化の独自性と素晴らしさを描いた。
「東西を問わず重んぜられているのは茶道というアジアの儀式だけなのである。白人はわれわれの宗教と道徳を嘲笑してきたが、この褐色の飲料はためらいもなく受け入れたのである。」(「茶の本」より)

玄侑さんは、西欧化していく社会の中で初めて西洋と違う日本の文化を訴えた天心の本を、今こそ日本人は読んでほしいと話す。「東洋にも日本にも独自の在り方があり、それに従った独自の文明を築いてきたはずです。ところがそのことを西洋人に対し、明快に説明できる人がいなかった。岡倉天心は、それを初めて果たした人物」(玄侑さん)

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: 茶道
感想投稿日 : 2019年5月31日
本棚登録日 : 2019年5月31日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする