麻原彰晃を信じる人びと

  • 洋泉社 (1970年1月1日発売)
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感想 : 2
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あらゆる問題を単純化して、巨悪として蓋をする(思考停止する)。そんなマスコミ的態度とは一線を画した、歴史的犯罪とその主犯となった教団について、超至近距離から考察を重ねた挑戦的な一冊。
なぜ人が新興宗教にハマるのか?どんな深層心理があるのか?その一端を垣間見るだけでも、読む価値がある。

取材先との距離感は、ジャーナリズムの大論点のひとつ。まるで神様かのような客観ではなく、かといって対象に陶酔しきった主観でもない。対話どころか修行まで実践してみせて、なお批判的な眼差しは持ち続ける姿勢だからこそ書けた本稿は、それを考える意味でも、大変に貴重な一冊だと思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 世間・哲学・政治・経済(ジャーナル・アカデミック)
感想投稿日 : 2021年8月16日
読了日 : 2021年8月16日
本棚登録日 : 2021年8月16日

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