ハサミ男 (講談社文庫)

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本棚登録 : 7953
レビュー : 1068
著者 :
ksk84さん レビュー有   読み終わった 

天神・天狼院書店の店員からおススメされて購入、読了。
ジャンルとして「古典」に分類されるらしく、そういった意味でも興味を持った一冊。
昔プレステのクロックタワーににハマっていた私、最初は一気にシザーマンのあのビジュアルが浮かびました(笑)
無知でごめんなさい…

いやー、この本かなり面白い!!
先の展開が気になって一気読みでした。

まず、設定が凄く良いです!
美少女を殺害し、ハサミを首に突き立てる猟奇殺人犯「ハサミ男」。
しかし、三番目のターゲットを狙う途中、自分の手口を真似て殺されたその彼女の死体を発見することになる。
その模倣犯を、逆に「ハサミ男」が探すという展開。
書店員さんにあらすじを教えてもらった時点から、だいぶ気持ちを持って行かれてました(笑)

この小説の面白さは、何と言っても壮大に張り巡らされたミスリードの仕掛け。
感の鈍い私は、100%何の疑いもなくキレイに騙されました(*´∀`*)
ん?ん??んんー!!??ってなって、何度もページをめくり直しました。
いやぁ、既にここから仕掛けが…ってトコロから始まってますね。
完全にしてヤラれ、めっちゃ爽快でした( ´∀`)
コレ、みんな気付くのでしょうかね?

また、作品に深みを与えているのが細かく描かれている「ハサミ男」の心理描写です。
ハサミ男の思考、行動に至るまでの流れがとても細かく書かれていて、その精神異常っぷりにゾクゾクします…
でも本当にこんな感じなのかな?と思わせる妙なリアリティーもあり、そこは作者の筆力でしょうか。

あと、オチが分かった後にもう一度読み返すと分かるのですが、非常に巧みでフェアな文章で書かれています。
矛盾する点が全く無いので、すごく納得感がありますね。
私のような人間には悔しさ倍増ですがm(_ _)m

最後の終わり方もなかなか良い味出してます。
浦沢直樹さんの「モンスター」を思い出したのは私だけでしょうか(笑)

きみの名前はなんていうの?

<印象に残った言葉>
・ファストフードのコーヒーは濃すぎるし、ファミリーレストランのコーヒーは薄すぎる。これが外食産業の第一法則である。(P40)

・もうひとつ、わたしにはとても見慣れたものがあった。ハサミだ。ハサミ男の象徴、テレビや雑誌がセンセーショナルに報道したあのハサミだった。樽宮由紀子の首には、遠い街灯の光に鈍く輝く銀色のハサミが突き立っていた。(P85)

・その声を聞いて、わたしは男が誰か思い出した。(P403)

・とても頭のよさそうな子だった。「きみ、名前はなんていうの?」と、わたしは訊ねた。(P502)

<内容(「BOOK」データベースより)>
美少女を殺害し、研ぎあげたハサミを首に突き立てる猟奇殺人犯「ハサミ男」。三番目の犠牲者を決め、綿密に調べ上げるが、自分の手口を真似て殺された彼女の死体を発見する羽目に陥る。自分以外の人間に、何故彼女を殺す必要があるのか。「ハサミ男」は調査をはじめる。精緻にして大胆な長編ミステリの傑作。

レビュー投稿日
2018年9月25日
読了日
2018年9月25日
本棚登録日
2018年9月25日
5
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