この著書で印象的だったのは、著者の鈴木敏文氏の人となりと
「お客様の立場で」という考え方でした。
著者は、良いと思うことは行動に移すという意味において芸術家肌だと感じました。
周囲の目や慣習よりも、自分が良いと思うことを素直に実行することは難しいものです。
何故なら人と違うことをやって失敗すると目立つし、
それで世間の評価を下げたくないと考えがちだからです。
実は他人の失敗も成功もそんなに長くは気にされないものですが、
大抵の人はそういうものでしょう。
この著書によると、鈴木敏文氏はヤングサラリーマンのころから行動派だったようですし、
元々人に使われるより、自分で考えて行動する性質なのかなと思いました。
また各界著名人との対談から著者が印象に残った話を紹介しています。
秋元康、佐藤可士和等との対談を引き合いに出して、
優れた「視点」をぶれずに持ち続け、それを時代に併せてどう色付けするかという話や、
「自分」を「もうひとりの自分」が客観的に見ているという話に共感を示しています。
著者の「視点」は、「お客様の立場」です。
「お客様のために」は飽くまで売る側の都合ありきで、
「お客様の立場で」は売る側の都合など関係なく、両社の決定的な違いを説いています。
また自ら「お客様の立場の視点」を持ち続けていることが、
販売経験がなくてもセブンイレブンを現在まで成長させた原点だと述べています。
この点は私自信 販売業者としていたく共感できました。
いずれにしてもこれだけの業績を残して来ている人の著書ですので
一読の価値はありました。
- 感想投稿日 : 2015年1月22日
- 読了日 : 2015年1月22日
- 本棚登録日 : 2015年1月22日
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