チグリスとユーフラテス

著者 :
  • 集英社 (1999年2月5日発売)
3.78
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本棚登録 : 672
感想 : 123

市図書館閉架にて、先輩方の会話に出てきたのを聞いて。

捉えた方によっては、信頼できない語り手の二重構造であった。(場合によっては3重)特に2章までは読者に対して悪意のある語り手役割が存在するため、エグレル。3章以降は悪意は落ち着くが、理解が進みエグレル。そもそも、地球世代に近づくように人物が移っていく形が、ずるいのである。我々の常識に近い側へ進むにつれ、今までの行間に存在していた「常識」が開示されていく。また2章の終わりを読んでから、3章に入るには気力が必要であった。
全体の語り手は、なんだかなれなれしく信頼したくないタイプだが、定義上は信頼できない語り手ではない。

私には、「生存」の2章が一番近い話題であったと思う。パーソナリティも、4人の中ではダイアナ・B・ナインに近い。生存のために調査・推論を行う。生き甲斐ダッシュは、やはり想像力の産物である。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2015年7月22日
読了日 : 2015年7月22日
本棚登録日 : 2015年7月22日

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