銃とチョコレート (ミステリーランド)

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本棚登録 : 3985
レビュー : 622
著者 :
九月猫さん あ行の作家(国内)   読み終わった 

どいつもこいつも油断ならねぇ――!!

のっけから言葉が悪くてごめんなさい(汗)
しかし本当に油断ならないんです、このお話。

講談社ミステリーランド第10回配本。

母と二人、貧しい暮しをしている少年リンツ。
亡くなった父親が移民であったため、少しの差別を受けているものの、仲良しの友達たちとそれなりに毎日を過ごしている。
友達との話題の中心は、「怪盗ゴディバ」の起こす数々の事件と、それに立ち向かう我らがヒーロー「名探偵ロイズ」。

あるとき、父親が亡くなる前に買ってくれた聖書の表紙から出てきた地図を見たリンツは
それがゴディバの手になるものらしいと気付き、ロイズに手紙を書く。
わざわざお忍びで会いに来てくれた憧れのロイズと地図についていろいろ調べるリンツ。
いつの間にかのっぴきならない状況に陥り、事件はたくさんの人を巻き込みながら思いもかけない方向に転がっていく。

こどもたちの憧れであるロイズが、リンツに「おもいでサファイア」事件を話す場面。
怪盗に憧れを抱くのは探偵も同じなんだなぁ(このお話の国では怪盗は完全な悪者ですが)、とほほえましく思ったのも束の間。

3章が始まり、すべてが反転する――。

広場で責められるリンツ。
親友の一人、優しいデルーカにまで誤解され「移民め!」と罵られるのがかわいそうで仕方がない。

その後は、あの人もその人も、えええっこの人までも?!と最後までどんでんの連続。
・・・本当にどいつもこいつも油断がならない。

2章終わりからのドゥバイヨルが、賢くてかっこいい。
人殺しちゃうのはいただけないし、最後までデレずに悪人のままだけれど。
実際に近くにいたら罵詈雑言浴びて蹴り倒されそうでイヤだけど。
語られていない彼の過去(家系のこととか妹のこととか)が読んでみたいなぁ。
ハードなお話になりそうで怖いけれど。

怖いといえば。

「イラスト、平田秀一さんかぁ。
表紙の猫の目、ブキミだけれどさすがに美しいイラストだわー」
とうきうきしながら開いたら・・・
こ、こわいっ!こわいわっっ!!
思えば、ここからすでに油断ならなかったのかもしれない……。

講談社ミステリーランド第10回配本。


フォローさせていただいている方のおススメ作品。
おススメがなければ、この本を読むのはもっとずっと後になっていました。
末筆になりましたが、お礼申し上げます♪

レビュー投稿日
2013年4月10日
読了日
2013年4月9日
本棚登録日
2013年4月9日
12
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『銃とチョコレート (ミステリーランド)』のレビューへのコメント

まろんさん (2013年4月10日)

九月猫さん、こんにちは♪

一行目に吹き出してしまいました!
だって、まさに!なんですもの。 この一行に、全てが集約されてるような(笑)
登場人物がみんな、食いしん坊なら涎が出そうな甘~い名前なのに
甘いどころか、一筋縄ではいかない人ばかりなのが乙一さんらしいですよね。

そしてほんとに、挿絵が怖かった!
特に、悪党たちより、お母さんの絵が(笑)
読み終えて、お母さんの覚悟を知ると、あの絵に凄味があったのも頷けるのですけれど。
チキンな私は、あの絵がある限り、怖くて本棚に並べられません(>_<)

kwosaさん (2013年4月10日)

九月猫さん!

>どいつもこいつも油断ならねぇ――!!

笑ってしまいました。
でも、本当にその通りですよね。

そして確かにヤツはかっこいい。
いかん! とわかっていても、ああいう人物にはちょっと惹かれてしまいます。

なによりも、さっそく読んでくださった九月猫さんにこちらこそ感謝です。
この本の面白さを共有できて、とっても嬉しいです。

九月猫さん (2013年4月11日)

まろんさん☆

コメントありがとうございます♪

いやはや一行目から言葉の悪いレビューでお恥ずかしいです。
いいトシとはいえ女子なのにっ(汗)

本当に登場人物の名前や固有名詞がことごとくおいしそうで……
チョコ好きにはたまりませんっ!
お話は、甘いどころか、かなり苦味がかってましたが。

挿絵……怖かったですね(T_T)
自分のレビューを書き終わってから、他の方のレビューを読んだら
まろんさんはじめみなさん「こわいこわい」おっしゃってて、
ああ、コワイのはわたしだけじゃなーい!と安心(?)しました。

>特に、悪党たちより、お母さんの絵が(笑)
お母さん、見開きでどどーんとあの笑顔ですもんね……
巻頭カラー(あれはドゥバイヨル@綺麗バージョンでしょうか?)が
すでに怖かったのですが、見開きのお母さん見たら、ねえ(^-^;)
まろんさんの「本棚に並べられない」という気持ち、わかります(笑)

九月猫さん (2013年4月11日)

kwosaさん☆

見に来てくださってありがとうございます♪

決定的なネタバレにならないようにレビューするのは難しいですねー。
驚いたところを書こうとするとネタバレになりそうで。
「おもいでサファイア」の話の場面での川の光景と、
ロイズの性格の悪さとの関係とか。

(ここなら書いても、ネタバレに泣く人はいないと信じつつ。
ロイズは「捨てた」と言いながらも食べたんだろうなーと思ってたんですよねぇ)

リンツの「……というわけでもどってきちゃった。」と、
メリーさんの「しんぱいしてませんし、かえってこなくていいです。」のセリフ。
どちらも次の展開が気になるシーンだったので、思わぬユーモアに噴きだしました。
これまた油断ならないなぁと(^▽^;)

おもしろい本の紹介、ありがとうございました♪

kwosaさん (2013年4月11日)

九月猫さん!

たびたび失礼します!

以前のコメントが、ひとつまえのまろんさんと、ほぼまるかぶりでなんか申し訳ないやら恥ずかしいやら。
しかも、あちらはきちんと気を使って書いていらっしゃるのに、僕はいきなり引用から始まってますもんね。
コメントを書いている最中は一番乗りだと思っていたので、なんかのびのび書いていました......って言い訳を。

ネタバレなしのレビューって難しいですよね。
九月猫さんがせっかくフィルターかけているのに、僕もコメントで匂わせるようなこと書いちゃって(って、これもマズいか)。

九月猫さんがコメントでご指摘のポイントは、読んでいる最中は、わりとギャグみたいにとらえてスルーしていたのですが、後から「おおっ!」ってなりました。
そんなところにまで仕込んでいたなんて。

言い訳に馳せ参じたつもりが、またまた長居をしてしまいました。
またお会いしましょう。では。

山本 あやさん (2013年4月12日)

九月猫さん、こんにちはー♡

最近乙一さんはまってるんですーっっっ♪
この本、タイトルが気になって買ったまま積読してて。
最近になって乙一さんの積読本を読んでみると
おもろしくて、一気に読みたい熱にかられてます[*Ü*]

聖書から出てきた地図!!!!!!
もー、大好物の香りしかしませんっ[笑]
ぜひぜひ早めに積読山から発掘してみますーっ♡

九月猫さん (2013年4月12日)

あやさん、こんばんはー♪

乙一さんハマってらっさるのでしたら、これもぜひ!
人物名はじめ固有名詞が、ことごとくチョコ関係の名前なので、
(お嫌いでなければ)チョコレート必携で臨んでくださいませ♪

とか言ってますが。
乙一さん・・・わたしは積みっぱなしなのです(;^_^A
初期の頃の作品をたくさん積んでいるのですが、
最近の作品もおもしろそうなのが多くて気になってます。
どれから読もうか(←積んでるのから読めよっ)迷い中なので、
あやさんのレビュー参考にさせてくださいねーヽ(´▽`)ノ

円軌道の外さん (2013年5月8日)


おはようございます!

遅くなりましたが
フォロー&沢山のお気に入りポチ
ありがとうございました(^O^)

兵庫県に住む、
猫と野球と映画とロックと活字中毒な
プロボクサーです。


自分もこの作品、
乙一強化月間の時に
図書館で発見して
いやぁ〜ぶったまげましたよ(笑)(>_<)

ホンマに児童書!?ってくらい
ダークでブラックなテイストに
さすがホラー作家乙一!と
改めて彼の心意気に打たれたし
見直した作品です(笑)

挿し絵はホンマ
トラウマになるくらい確かに怖かったけど(汗)、
昔の挿し絵って
子供だからと
手抜いてなかったですよね。

子供の頃に読んだルパンや明智小五郎シリーズも
毎回挿し絵を触らないよう(笑)
ページめくってたくらい
怖がらせてもらったし、

子供の頃に
「怖い」感情が
ちゃんと機能するかって
スゴく大事なことやと個人的には思います。


乙一は最近別名義での
ほんわか胸キュンな話が多いけど、
もっともっと
初期のようなブラックでダークな話も
書いて欲しいなぁ〜(^_^;)


これから何かと
レビュー等参考にさせてもらいますんで、
末永く
よろしくお願いします(^_^)

コメントやポチ頂ければ
必ずお返しに伺います☆


九月猫さん (2013年5月10日)

円軌道の外さん、こんばんは♪

わざわざのご挨拶、ありがとうございます!
こちらこそ、フォローとたくさんの「いいね」をいただいて
恐縮しております。
これからどうぞよろしくお願いいたします。

乙一さん、初期の作品をたくさん積んでいるのですが、
積みっぱなしで読んでいないのですよ(;^_^A
このミステリーランドの作品がすごくおもしろかったので、
ごそごそ引っ張り出してきてはいるのですが。

「銃チョコ」楽しめたならこれ読め!的なおススメがありましたら、
教えていただけると嬉しいです。

中田永一さん名義のほんわか系の作品も気になっていますし、
読むのが遅い自分がもどかしいっ!です(笑)

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