宝島社の「このマンガがすごい」オンナ編6位に選ばれていたので、まとめて読んで見た。
80歳といえば、私の両親の世代、介護が現実味を帯びて、周りにはそんな話ばかりが目立つけど、一方ではいまだに現役バリバリで頑張っているお医者さんや地域の世話役等々もおられることを私は知っている。東京となれば、このまり子さんのように、小説家として現役として残っている人もいるだろう。
まり子さんは4世代住宅に住んでいたが、居場所がなくなって家出してしまう。年金と原稿料があるから、なんとかなるだろうと考えていたけど、さにあらず、保証人もなしに老人に貸す不動産屋はいないのである。ネットカフェや友人男性との同棲、雑誌の打ち切り、友人女性と同居、ネット雑誌のへの模索など、時々息切れをしながらまり子さんは、新しい地平を切り開いてゆく。
「あとかたの街」で、母親の青春期をモデルにリアルな空襲マンガを描いた作者。今度は現代を舞台にやはり母親同世代をリアルに描く。ふんわりとしたキャラを、しっかりとした取材で同時に描く作者の立ち位置は同じ。
既に前作の刊行冊数を超えることになった。愉しみな作品が増えた。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
さ行 フィクション
- 感想投稿日 : 2018年1月21日
- 読了日 : 2018年1月21日
- 本棚登録日 : 2018年1月21日
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