ひねもすのたり日記 (第1集) (ビッグコミックススペシャル)

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本棚登録 : 105
レビュー : 11
著者 :
kuma0504さん は行 フィクション   読み終わった 

手塚治虫文化賞特別賞を獲ったのを知って取り寄せたのではある。受賞理由に功労賞的な文句も入っていたが、やはり受賞した理由の1番は、18年ぶりの新作に審査員一同が驚いたからだろう。4ページの連載なので、マンガエッセイみたいな内容なのだが、本人自ら「私はストーリー漫画家だ」というだけあって、世のエッセイマンガとは一線を画している。時々幕間みたいに脱線を入れながら、見事な半生の記を描いていた。

アシスタントは、最低必要な人数に絞っているのだろう、ちば本人が画面の隅々に気を配っているのがよく分かる。あらゆる登場人物の表情が、心の中まで聞こえそうに微妙に描き分けられているのである。18年のブランクなんて信じられない。むしろ、このペースで描くことによって、ちばてつや最後の代表作になりつつあるのではないか。

家族6人1人も欠けずに満州から帰ることができたのは、確かに奇跡と言っていいのだろう。(幼い作者に見えていなかったので)画面の上には描かれていないが、両親の苦労は如何ばかりだっただろうか。一方、ちばてつやの見る世界は、子どもらしいのんきな世界が続いていたので、ラスト近く、千葉の九十九里浜のおばあちゃんの「あんのこったやーっ」の叫び声に、その見事な表情に、殺られてしまった。たまたま向かい合わせに座る喫茶店で読んでいたのだが、ボロボロボロボロ泣けてしまって、ものすごく恥ずかしかった。

おそらく1年半に一冊の割合で刊行されると思うので、ゆっくりと付き合って行きたい。
2018年5月読了

レビュー投稿日
2018年5月15日
読了日
2018年5月15日
本棚登録日
2018年5月15日
10
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『ひねもすのたり日記 (第1集) (ビッグコミックススペシャル)』のレビューへのコメント

猫丸(nyancomaru)さん (2020年10月3日)

kuma0504さん

見逃した、、、
https://www6.nhk.or.jp/nhkpr/post/original.html?i=25380

kuma0504さん (2020年10月3日)

浦沢直樹の「漫勉」がまた始まったんですか!
しかも第一回はちばてつや!
見逃しました(泣)

猫丸(nyancomaru)さん (2020年10月3日)

kuma0504さん
再放送を待ちましょう!

地球っこさん (2020年10月8日)

kuma0504さん、おはようございます。

今夜の「漫勉」第2回は、少女漫画家の岩本ナオさんです。 
岡山の方です。

すごく大好きな作家さんで、とくにわたしは『町でうわさの天狗の子』と『雨無村役場産業課兼観光係』という漫画が大好きです。

「雨無村役場産業課兼観光係」は、岡山県灘崎町の町民会館とか役場がモデルで、作中に登場する重要な役割を果たす桜の大木は、岡山市南区奥迫川の「大山桜」らしいです。
『町でうわさの天狗の子』も地元らへんの風景をモデルにしておられるようです。

わたしの住んでるところとよく似た景色や、人物たちに親近感がわきます。

全くちばてつやさんに関係ないコメントになってしまいました。反省……

つい、「浦勉」のコメントに反応してしまい、「岡山」でkuma0504さんを思い出してしまったので……

朝から失礼しました。

kuma0504さん (2020年10月8日)

地球っこさん、こんにちは。
岩本ナオの作品とはそうなんですね。覚えておきます。
今晩はレイトショーを見る予定だし、今は録画機が壊れていて「漫勉」は見る事叶わなそうです。

灘崎町は、わたしの拙い知識では、江戸時代の干拓地として開けてきたところです。山沿いは古い建物もあったかもしれません。また、山沿いには彦崎貝塚という日本を代表する縄文遺跡もあります。でも、まぁ、何処にでもあるような住宅地が広がっている、岡山市のベッドタウンでもあります。だんだん地域発信マンガが当たり前になりつつある。良い傾向だと思っています。

地球っこさん (2020年10月8日)

kuma0504さん、お返事ありがとうございます!

たしかに「町で……」の方には貝塚の話もありました。

レイトショー楽しみですね。
おきをつけて、いってらっしゃいませ。

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