風の万里 黎明の空 (下) 十二国記 4 (新潮文庫)

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  • 新潮社 (2013年3月28日発売)
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この巻は物語の王道を通って、見事に終着しました(少女たちの成長物語、ラスボスの正体)。この巻には、慶国のみならず、芳国、才国、柳国、恭国の状態まで出てきます。これまで巧国、戴国、雁国が出てきているので、これで八国の状態がわかりました。国境を越えると明らかに国力に格差があるとか、十二国で生きることが立体的にわかってきました。

解説の金原端人が、『ナルニア物語』『指輪物語』を例示してこのシリーズの最後を示唆しています。つまり、世の名のある英雄物語は『英雄の帰還』だけでは終わらない。英雄の『死』によって終わるのです(例えばヤマトタケルは白鳥になって去っていった)。もちろん、この時点で金原も私も、最後を知らない。「物語の運命」という見方で最後を予想するのは、ファンタジーの一つの愉しみです。シリーズが折り返し地点を過ぎた今、だんだん見えてきたような気がします。

ここまでわかった年表を訂正加筆して載せます。
1467年   六太1歳応仁の乱で罹災する。
1470年 六太4歳延麒となる。
1479年   瀬戸内海賊村上氏により海辺領主小松氏滅亡
(大化元年) 雁国延王尚隆が登極
1500年(大化21年)元州の乱 斡由誅殺


X元年   泰麒 胎果として日本に流される
X4年 才国采王黄姑が登極
X9年末  慶国予王が登極
X10年  泰麒 2月蓬山に戻る
戴国泰王驍宗が登極
X11年 泰麒 4月日本に戻る
X 12年 芳国峯王仲韃崩御、娘の祥瓊の仙籍剥奪 
X 13年  芳国の麒麟の卵果触により流される
X14年  5月慶国予王崩御。
X15年(1992年?)1月?陽子日本より来たる
      10月慶国景王陽子が登極
X 16年  慶国で和州の乱 
     鈴と祥瓊は王宮へ 陽子伏礼を廃す
X17年  泰麒 9月戴国に戻る

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: か行 フィクション
感想投稿日 : 2020年1月8日
読了日 : 2020年1月8日
本棚登録日 : 2020年1月8日

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