遅読家のための読書術――情報洪水でも疲れない「フロー・リーディング」の習慣

著者 :
  • ダイヤモンド社 (2016年2月26日発売)
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本棚登録 : 1974
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「ここで1つの結論めいたことを言っておけば、つまるところ、遅読家というのは能力の有無ではなく、読書の捉え方に由来しています。『本を速く読める人』と『遅くしか読めない人』がいるのではありません。『熟読の呪縛から自由な人』と『それにとらわれている人』がいるだけなのです」(扉表紙の裏側にあるリード文)まぁそうなのでしょう。特別な事は書いていない。

私の関心は、この人はどのように本を選んでいるのか、ということぐらいだな。メモを書きながら読めば、数時間で読み切り、書評も書けるだろう、と見通しを立てる。

読み進めるうちに、反感ばかり覚えてくる。著者は反感を覚えるような本は読まなくていいという。でも、ここまで読んで書評を残さないのも何だし、書評を残すならばきちんと根拠を示すのが礼儀というもんでしょ?著者は9割は「速く読める本」を選べという。でも、それは著者の書評家生活に特化する理由だ。あんたの生活に合わせる理由が私にはない。「速く読む必要がない本」はエッセイ、小説などらしい。根拠は「筋が重要だから」。バカ言ってんじゃない。小説は文体こそが重要なのだ。或いは細部こそが重要なのだ。この時点で、価値観がまるきり違うことが判明する。LGBTを生産性がないから不要だと言った政治家を思い出した。

あとは冒頭のかなり詳しい目次を見たら、この人の書いた内容の大体は分かった。半分くらいは既に私が実践してることか、実践したいと思っていることであり、半分は私とは関係ないことのようだ。この時点であとの2/3は読むのよを止める。ここまで書きながら読んで掛かった時間は30分である。流石、素晴らしい!この調子で読めば、この人のように年間700冊は読めるかな(笑)。

(追記)何でこんな本を選んだかというと、ブクログ書評を読んで興味を持ったため。直ぐに図書館に予約しました。印南さんじゃないけど、そういう本の選び方は重要だと思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: た行 ノンフィクション
感想投稿日 : 2019年7月12日
読了日 : 2019年7月12日
本棚登録日 : 2019年7月12日

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コメント 2件

e_c_o_nさんのコメント
2019/08/04

私自身「遅読家」なためこちらの本の内容が気になったのですが、どうやら読む必要はないですね。レビューを拝読してスカッとしたのでどうしてもコメントをしたくなりました。読んでもないのに批判をするのは公平じゃないですが、ビジネス書やハウツー本と小説やエッセイを同じ視点で扱うことに疑問を感じました…

kuma0504さんのコメント
2019/08/04

自分の体験を、さも全ての人に通用するかのように本を書く人たち(編集部)が多すぎる。

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