火打ち箱: こんなアンデルセン知ってた?

  • フェリシモ (2006年9月1日発売)
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本棚登録 : 157
感想 : 28
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訳者・赤木かん子さんの「あとがき」を先ず載せてみる。

 この『火打ち箱』は数あるアンデルセンの物語の中でも、5本の指に入るほど(題名を教えてという)探偵依頼がくる話です。(略)アンデルセン全集には必ず入っている完成度の高い話ですが、これですよ、と手渡すことのできる絵本が欲しかったのです。でも、「水車くらい大きな目玉の犬なんてどうやって描いたらいいの??」と思っていました。そういう話をしていたら、高野文子さんが、「あら、あたしそれやりたい」って言ってくださって、「どうやって?」と言ったら「うふふ、思いついたことがあるのよ」とおっしゃいました。
 そういうわけで、すごい!かっこいい!どうやって作ったの?と思わず叫んでしまった。まか不思議なこの一冊が出来上がりました。

この絵本、「高野文子・絵」じゃないんです。「高野文子・ペーパークラフト」なんです!!高野文子作成のペーパークラフトを高野文子が撮影して(後書きに「こんなして撮りました」図が描かれていましたが、これが1番傑作だった)、写真が絵本となったわけです。

お話は、まさかの昔話を逆手に取った、ブラックというべきか、ハッピーエンドというべきか、とってもシュールなお話です。

この前、高野文子が漫画以外で関係した本を発掘して(「いずみさん、とっておいてはどうですか」)、他にないかなとぶらぶらと見ていたら、こんな本があることがわかりました(2006年発行)。ペーパークラフト用に、またもや高野文子は絵の描き方を大きく変えているのですが、それでも紛うことなき「高野文子」なのです。恐ろしいほどの才能です。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: は行 フィクション
感想投稿日 : 2023年9月4日
読了日 : 2023年9月4日
本棚登録日 : 2023年9月4日

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