新装版 坂の上の雲 (8) (文春文庫)

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レビュー : 298
著者 :
おーい粗茶さん 小説   読み終わった 

侵略をもくろむ「悪の帝国」との戦いという正義を胸にいだき、外国との戦いの中で、一般の日本人が自分が国家の国民であるとの強い自覚をいだいた日露戦争の時代。信じられないような貧窮と、負ければ国が滅ぶというのっぴきならない事態でありながらも、自らの行動に一転の曇りも感じない、すがすがしくこれほど迷いがない理想を人々が生きることができた時代、そんな歴史の中の特異な一時代を鮮やかに切り取って読ませてくれた。日露戦争の30年後、太平洋戦争という大いなる錯誤を犯すことになったわれわれ日本人の教訓を、この物語で描かれる「不思議な勝ち」から学ぶこともできるが、私は本作から端的に味わったことは、その時に持てる力のすべてを一点に注力し数々の難局へ立ち向かった人々の姿だ。仕事でへばりそうになった時、「やれることをやるしかないではないか」という彼らの姿にどれほど勇気を与えられたことかわからない。彼らの勇気と強さの源泉こそが「迷いなく理想を生きる」という、そこにあったのだと思うのだ。

レビュー投稿日
2011年10月6日
読了日
2011年10月6日
本棚登録日
2011年10月6日
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