愛と背中合わせの死に纏わる三本の短編集。自分の死期を悟ったとき、自分はどんなことを考えるのだろうと考えてしまうような、三者三様の終末のお話たちでした。特に三本目の『花』が凄く素敵で、読了後に本を閉じ再び表紙を開けた時、勿忘草のイラストがパッと目に入り思わず泣いてしまいました。先立ってしまった愛する人との記憶を丁寧に辿る鳥越氏との旅を通じて、記憶を失うかもしれない手術に挑むことを躊躇う野崎の気持ちが清々しく前に向き直る過程がぐっと来ます。きっと彼は大丈夫だ、そう思えるあったかいラストに胸がじーんとしました。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2024年3月1日
- 読了日 : 2024年2月26日
- 本棚登録日 : 2024年3月1日
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