花豆の煮えるまで―小夜の物語 (偕成社ワンダーランド)

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本棚登録 : 129
レビュー : 20
著者 :
kuritanuさん  未設定  読み終わった 

安房直子、今まで短編しか読んだことがなく、嫌いではなかったが、これを読んで「好き!」に変わった。
短編でも感じることだが、安房直子のファンタジーには幻想的で暗い部分があり、その暗さは人間の本質を見つめる目からきているのだが、この作品からはさらに「寂寥」を感じた。
母に去られた娘の気持ちをつまびらかに描き込んだりはしないが、いかに主人公が内面に孤独を抱えているかが、読み手に伝わってくる。
父にも祖母にも愛されているが、それで埋められるさびしさではない。
山姥の娘という設定は他の作家も使っており、誰が最初に考えだしたのかは知らない。
しかし、富安陽子の登場人物のように、超人的な能力を自在に操って冒険をしたりはしない。この主人公には自分の能力に対する「畏れ」があるから。
父の再婚を受け入れる娘の微妙な心理を描く最後の朴の木の話が特に素晴らしい。

レビュー投稿日
2013年12月6日
読了日
2013年12月6日
本棚登録日
2013年12月6日
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