悪くはなかった。
使いようによって善にも悪にもなる「緑の石」は放射性物質を思わせる。その制御の難しさ、悪に使う誘惑に抗うことの難しさも小人に語らせている。
壮大な物語だと思う。夢中になる人がいるのもわかる。
でも、私には…。
「ヒューイ ヒューイ シュルルルン」も駄目だが、そのあとの「ビンビンビン」はもっと駄目。笑わせるつもりなら別だけど、これを真面目に心をこめて唱えろとは…。作者の言葉のセンスが、どうしても受け入れられず。
そしてやっぱり登場人物はステレオタイプで、そびゆじいさんと白ひげじいさんは全く同じキャラクター。
勇敢なはなはな、大人しいけどしっかり者のくりな、ちょっとお転婆なみんみ、ゆたとのびとに至っては、性格がどう違うのか不明。
「小人」というからにはいつか普通の人間が出てくるのではと思っていたが、とうとう出てこず。ということは「小人」というのがおかしくない?「人」でいいじゃん。
まあ、動物と会話できて魔法も使えて、体が小さいんだから、読者に普通の人間とは違うということを伝えるために「小人」にしたんだろうけど、やっぱり、変。
一作目の「はなはなみんみ」で荷車を曳いて移動するのも(平原でもないのに)おかしい感じがしたが、今回も、川をずっと漕いで溯るというのに不自然さを感じる。
そんなこんなで最後までしっくりこない、納得できない物語ではあった。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2014年3月6日
- 読了日 : 2014年3月6日
- 本棚登録日 : 2014年3月6日
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