最近よく話題になるリスキリング。
学び直しといっても、なんかそれ自体が目的になっているような言われ方ばかりでそれでいいんだろうか?と思う。
(行政でありがちだが)例えば、デジタル化やDXと言ったら、それ自体が目的になって、それらを手段として、どうしていくのかがおそろかになりがちに感じる。
本書は、リスキリング(学び直し)を手段の自己目的化で終わらせず、リスキリングの目的は、「人生のレジリエンスを高め、イノベーションを創出していく力を身につけること」として、4つのSという軸から戦略的なリスキリングを提案している。
4つのSとは、シナリオ、スピード、サイエンス、セキュリティのことで、
シナリオとは、未来を描き、そこにいたるまでの道筋をバックキャスティングすること。
スピードとは、世界標準のスピード感を意識して、リーダーシップを発揮し行動していくこと。
サイエンスとは、データや論理的な思考をベースとしていくこと考え、実験的に試し工夫すること。
セキュリティとは、自分自身の立ち位置を確認し、自分を取り巻く様々なリスクを念頭に置くこと。
本書では、これら4つのSの視点から、学び続ける方法が提案されている。
読んでみて、社会人になってから、学生の時よりもはるかに勉強する重要性は感じていたけれど、
勉強するときに、ただ自分の興味のあることだけになりがちだったので、こうして、今までとは別の視点から勉強を考え直すいい機会になったと思う。
また、本書の冒頭では、勉強しなくなっているという面から日本が、かなりまずい状況にあることが書かれているのだけれど、
こういうのを読むと本当に勉強しない人は既得権益に居座らず、さっさと退場してくると思うのだけれど、
できることは、まず自分が学び続け、学び続ける仲間を探し、行動するしかないのだろうなと思う。
- 感想投稿日 : 2023年7月24日
- 読了日 : 2023年7月24日
- 本棚登録日 : 2023年5月5日
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