死刑囚や被害者遺族に対する調査・取材をもとに、死刑制度について語った本。私は、死刑制度に格段の関心を持っているわけではなく、同テーマについての知識をつけたり、考えを深めてきたことは無かった。しかし、本書で大きく扱われていた、取材をもとにした死刑囚の考えや行動、冤罪に関する事案について触れ、司法や犯罪に関する感覚がすこし敏感になったと思う。インタビューや事件の経緯の細かく丁寧な記述は読みごたえがあり、取材や調査においては、とても粘り強く多大な力をかけて実施されたことが伝わってくる。末尾の方の、法務当局や拘置所への批判は、大切なことだとは思うが、やや感情的になりすぎている印象もあり、それまでの流れとのつながりも踏まえて、別の場所で語ってくれても良かったかなあと思う。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2017年10月15日
- 読了日 : 2017年10月11日
- 本棚登録日 : 2017年10月11日
みんなの感想をみる