大魔法使いなんです…よね? (1) (MFコミックス ジーンシリーズ)

著者 :
  • KADOKAWA/メディアファクトリー (2016年3月26日発売)
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感想 : 3
5

『そこにいたの、西山さん』のU-temo先生の最新作
人によって、好みはあると思うが、どちらかと言えば、私は『そこにいたの、西山さん』よりかは、この『大魔法使いなんです・・・よね?』の方がストライクゾーンに入っていた
何と言うのか、こちらの作品の方が、U-temo先生の色が、自分のペースを把握できているのか、濃く出ているな、と感じられたからだろう
内容を一言で説明するのは難しいが、伝わらないのを承知で纏めるなら、「ふわっとしている」だな、うん
U-temo先生の絵柄も割かし、ゆるゆるだが、作品のテンポは更に軟らかい
タイトルに、ファンタジー作品の代名詞と言っても良い、「大魔法使い」が入っているが、内容には、特にオカルト感はない。まぁ、あえて言うなら、主人公もヒロインも恋の魔法にかかっちゃっているっぽく、お互い、相手の懐の更に奥に入り込む最後の一歩が踏み出せずにいる、そんな感じ
そこそこ妙齢であろう、ヒロインは、自分を大魔法使いと自称しているのだが、言動が妙に可愛らしく、イタい女って印象は受けない。大体の確率で、隠れSな助手・ミユキに翻弄されているのだが、時たま、やりかえしているトコがこれまたキュート・・・・・・ふむ、私も魅了の魔法を、知らぬ知らぬの内にかけられているのか
表現としては、先生の自尊心を傷つけかねないものかも知れないが、中途半端ではある
とびっきり面白くもないが、てんでつまらない訳でもない
湧いてくる感情も、巧く言葉にし辛く、喜怒哀楽、どれにも当てはまらない気がする
なので、ストーリーの裏を深く考えず、ふわっとした幸せそうな雰囲気を楽しみたいだけの時には、まさしくピッタリと断言できる
どれも絶妙な力加減で、こちらの弱いトコを突いてくるが、個人的に最もキュンとしたのは30p。散々、ネチネチと責めてたのに、好きな人から名前を連呼されただけで、顔を真っ赤にしちゃうなんて、ミユキ、可愛いトコあんなぁ
この台詞を引用に選んだのは、緩い内容だからこそ、ふと、キャラが口にした言葉が突き刺さるってセオリーが発動したので。自分である事には、資格も証明もいらない。自分の良い所は、自分と特別な一人だけが分かってくれてればいい

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: コッミク(MF)
感想投稿日 : 2016年4月30日
読了日 : 2016年4月30日
本棚登録日 : 2016年3月26日

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