パラダイスレジデンス(3)<完> (アフタヌーンKC)

著者 :
  • 講談社 (2016年3月23日発売)
3.90
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本棚登録 : 79
感想 : 7
5

うぬぅ、思っていたよりサクッと終わってしまった
しかし、藤島先生の描く最終回は、話のまとめ方が実に綺麗で、「残念」と思ってしまう事がファン失格と思っちゃうほどなんだよな
基本、可愛い女の子ばかりが登場する漫画なわけだが、この『パラダイスレジデンス』は、特に私は百合の香りを覚えなかった。人によっちゃ感じ方は違うんだろうが、私はこの作品を未読の人に薦める際は、同性の友情を主軸にしてる、と説明すると思う
私自身がおよそ、真っ当な友情を築けていない、と自負している人間なので、普通の友情が何なのかは分からないが、この『パラダイスレジデンス』に登場する、元気溌剌な美少女らの青春を眺めていると、友情ってのは、お互いに好きなトコを褒められ、直すべきと感じた短所はしっかり指摘できる関係なのだろうな、と考えられる
相手の長所も短所も個性だと思って受け入れる、言うは易く行うは難し。ぶっちゃけ、真の友達と呼べる間柄の人間を作るのに適している時期は、学生時代だろう。大人になって、社会に出て、世間の荒波に揉まれて、変に丸くなると、直感で友達を作るのが結構、難しい
学生時代に、性別も生まれも関係なく、対等に尊敬し合える人間に出逢えるチャンスが巡ってきたのなら、躊躇わずに掴むべきだ、と乗りたい風に遅れたマヌケな私からのアドバイスだ
けど、この(3)を読んで、しみじみと思ったが、ホント、好きこそものの上手なれ、ってのは理に適っている
好きなモノは描けば描くほど巧くなっていくタイプの漫画家なんだろうな、藤島先生は
これは私の勝手な推測に過ぎないが、藤島先生の好きな物は洒落た建物、風になれるバイク、そして、外も中も可愛い女の子だろう。ホントに好きだからこそ、書き直しを繰り返すのが苦にならないし、「これが俺の描きたかったイメージそのもの」が形になった時の達成感は半端じゃない快感を生んでくれるだろうな
セクシーシーンも多いのだが、『これからコンバット』や『菜々子さん的な日常』、『女子かう生』と同じく、健康的なエロスが漂っているので、決して下品過ぎない
キャラクター、ストーリー、このしっかりとバランスが整った漫画を描くにゃ、天性の才能だけじゃ、どうしようもない。このセンスと言うか、勝負勘はキャリアを積んで培ってこそ得られるモノ。藤島先生も、『ああっ女神さま』を完結させたからこそ、やっと手綱を取れ始めた感じなんだろうな
きっと、先生は、こんだけ面白い漫画を描けても、まだ満足していない
次回作は、もっと、読み手をワクワクとした冒険に連れて行ってくれる、と期待している
個人的にゃ、和風ファンタジーに挑んで欲しいな、と思ってる。友情、アクション、コメディ、シリアス、ちょっとのセクシーさが織り交ざった、人と人じゃない存在の恋愛ものが読みたい
どの回も面白かったが、小狡い悪役の計略を、天真爛漫なヒロインらが思いもよらぬ正攻法で打ち破る、そんな藤島先生らしさが強く出ている、「Last episode.橘花第一女子寮」は特にお勧めだ。やっぱ、超一流の漫画家ってのは、一話目で読み手のハートを掴み、最終話でしばらくは残る跡を付けてこそ、だな。これからも、この女子寮では色々と起こりうるんだろうが、その度、寮生らは絆を強めて、それらを乗り越え、人間として大きく成長していくんだろう
口絵(でいいのかな?)に描かれているのは、きっと、数年後の小鳥遊ちゃんと三沢ちゃんだろう。可愛い女の子から、カッコイイ女性になった二人の友情は変わっているけど変わっていないんだろう。本音を言えば、二人が、どんな夢を実現させたのか、気になるトコだが、妄想のし甲斐があるのも事実w
この台詞を引用に選んだのは、小鳥遊ちゃんは、ホント、そこらの男より、よほど、人間的な芯がしっかりしてるなあ、と感心してしまったので。下げ時を間違えない頭は大抵の事は解決してくれる、か

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: コミック(講談社)
感想投稿日 : 2016年4月26日
読了日 : 2016年4月12日
本棚登録日 : 2016年3月24日

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