紺田照の合法レシピ(2) (KCデラックス)

著者 :
  • 講談社 (2016年8月17日発売)
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本棚登録 : 123
感想 : 9
5

昨今、他の漫画に差を付けるためか、風変わりな設定やキャラを登場させる食漫画が増えた。やや飽食気味になってきたにしろ、切磋琢磨して、より良い作品を作ってくれるなら、漫画読みとして、それは嬉しい限りだ
そんな中でも、やはり、この『紺田照の合法レシピ』の異色感はズバ抜け、他の作品に真似できないモノを保っている
この食漫画の凄さは、CLAMP先生が推薦コメントを(2)の帯に書いてくださった、と言えば、伝わるだろう。面白いのは承知していたが、まさか、CLAMP先生のお眼鏡に適うとは思ってもいなかった
やっぱ、CLAMP先生、他の漫画もチェックしてるんだな。まぁ、そうでなきゃ、『カードキャプターさくら』や『xxxHOLiC』などの人気作を描けるわけがないか。一流ほど、新人作家を未来のライバルとして見縊らず、その真価を見極めておくのかもな
ともあれ、この(2)は先巻より面白さだけでなく、紺田の漢気も増している
確かに、彼はヤクザの一員ではあるが、この年齢にして、何が起きてもブレない、自分だけの信念があるのは、本物の男、と賞賛すべきだろう
彼が、日常のハプニング(?)を起因として思いつく料理も、これまた美味しそうなのだ
イイ食漫画の条件ってのは色々と多いだろうが、実際に作れるレシピを作中で丁寧に作ってくれると再現しやすくて助かる
また、そんな料理を引き立たせるストーリーも、起承転結のテンポがよく考えられており、CLAMP先生が紺田照を結婚相手としてロックオンするのも頷ける
ヤクザらしいエピソードが多いのだが、血生臭すぎず、むしろ、コミカルに仕上げている。まぁ、本職の方にも漫画読みはいるだろうし、怒りは買わないのかな、と不安にもなるが、馬田先生に何かがあった、とは聞かないから、一般人よりはヤクザの方が現実と漫画の区別がちゃんと付いて、フィクションにケチをつける事がアホらしいって事が判っている人も多いんだろう
好いエピソードが多く、どれをお勧めすべきか、は迷うのだが、(3)で、どんな変化が起きているか、が気になるって意味では、やはり、第13話「手ごねの心臓」だった
紺田と真希ちゃんが、イイ仲になるのか、も期待ドコだが、何せ、真希ちゃんの兄は刑事、しかも、紺田とは一悶着があった関係だ。それがバレた時、どうなってしまうのか、背筋に冷たい汗が流れていくぜ
この台詞を引用に選んだのは、これにも紺田の漢気がよく表現されているから。この台詞が出てくる第15話「アウトエイジ―全員店員―」を読めば分かるが、そもそも、丸長に非はある。しかし、紺田は真意はどうあれ、先輩を立てた。ヤクザが年功序列ってルールなのもあるが、つまらぬ諍いを避けるために先輩を立てる紺田の気遣いは勉強になる

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: コミック(講談社)
感想投稿日 : 2016年9月18日
読了日 : 2016年8月28日
本棚登録日 : 2016年8月21日

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