ほんと、攻めてる漫画である
受け取り方は読み手それぞれだろうが、私としちゃ、ここまで、描き手の趣味、拘り、フェチズムが惜しげもなく詰め込まれている作品は大好きだ
植芝先生がどう思っているかは分からないけど、仮に、藤島康介先生にライバルがいるとするなら、植芝先生の名は、ファンの口から必ず上がるような気がする
どちらも、自分が描きたい事、読み手に伝えたい事を妥協しない人だしな
ネームをチェックする担当さんとしちゃ、植芝先生がどんなマニアックさをぶっこんでくるのか、毎度、不安と期待が入り混じるんだろう
改めて言うでもないが、主人公・実のマザコンっぷりが健全であるのは、とても好感が持てる
コミックゼロスやcomicアンスリウムに時たま、母親と息子の近親姦ネタの作品が掲載されるが、私、この手のやつがあまり得意ではない
まぁ、あくまで、この『大蜘蛛ちゃんフラッシュバック』は、実の片思いであるからこそ、プラトニックなんだろう
実際、フラッシュバックした父親の記憶にある、母親の学生時代の姿を見て、我に返ってから、年を経た事で熟した美しさも目の当りにしたら、好きになっちまうのも納得である
ブルマやスク水と言った、青春コスチュームだけではなく、何故、実の父母は付き合うようになったのか、いつ、好意が芽生えたのか、と言ったイベントも蔑ろにしていない点も、植芝先生らしい
むしろ、見た目や衣装よりも、その手の青春イベントにこそ、植芝先生のロマンが詰まっているのではないか
エキセントリックではあるけど、ストーリーは正道を行っている
お約束の展開ばかりのラブコメに飽きた人には、ぜひ、お勧めしたい作品だ
ただ、普通慣れしている人ほど、植芝先生の毒で、妙な扉が開いちまうから、そこはちょい、心配だ。責任を取る気は皆無にしろ
実の中で、母親だけでなく、一もちょっとずつ、特別な存在になってきているようなので、(3)では、どんな変化球が投げてこられるか、楽しみだ
どの回も、植芝先生の人間性が垣間見える気がするが、私としては、第8話「バリアフリー母子かよっ」が好きだ
やっぱり、男たるもの、惚れた女を守るために、泥くらい被れなきゃな
ありきたりかも知れないけど、恋に落ちるキッカケってのは、大体、シンプルなもんだ。そんなシンプルな理由から、「好き」が枝分かれしていって、根元の「大好き」が育つのが好いのだ
この台詞を引用に選んだのは、反則だろ、この聞き方は、と思ったので
乗るべきか、止めるべきか、そんな板挟みの中で葛藤すれば、鼻血くらい出ない方がおかしい
ヒロインが彼氏を誑かす(言い方w)様が勉強になるのは、『ああっ女神さまっ』よりも、こっちの『大蜘蛛ちゃんフラッシュバック』だなぁ、と思った
- 感想投稿日 : 2018年6月11日
- 読了日 : 2018年5月2日
- 本棚登録日 : 2018年4月23日
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