ワカコ酒 9 (ゼノンコミックス)

著者 :
  • 徳間書店 (2017年8月19日発売)
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本棚登録 : 359
感想 : 18
5

この『ワカコ酒』も、ついに、大台手前まで来た
十巻は確実に突破する、そんな確信が(1)を読んだ時点であったから、そんな驚く事でもないので、嬉しいって感じである
ただ、美味しいお酒と美味い料理を楽しむだけ。でも、その良い雰囲気を最高レベルで表現できるのは、新久先生に実力があるからだろう
もちろん、コアな取材をしているってのも大きい。実際に、作者が呑兵衛だからこそ、リアリティが生まれ、この空気に読み手は酔わされてしまうのかも知れない、しみじみと感じた(9)
酒が一滴も呑めない私ですら、良い感じのほろ酔いになれる
一ファンとしての印象だけど、この『ワカコ酒』、ヒロインのワカコや新久先生のようなお酒が好きな大人が読んでも楽しめるが、読ませたいのは高校生だな
当然っちゃ当然だが、高校生はお酒を呑んではいけない。お酒が呑んでも良い、と法律が許す20歳までは我慢する必要がある
だから、成人式や初めての飲み会でハメが外れすぎちゃう成人が後を絶たない訳じゃないが、そうならないように、周囲の大人がお酒との付き合い方を日頃から示しておく必要があると思う
この『ワカコ酒』を読み、本当の意味でお酒を楽しむってこと、それが出来る大人のカッコ良さを高校生の内から知っておけば、その時が来た時に、ちゃんと自制心が働くんじゃないだろうか?
使い古された言い方だが、酒は飲んでも飲まれるな、である
酔っている大人は艶っぽいが、酔っぱらっている大人はみっともない
普段から、高校生が「かっこいい」と思えるような酔い方が出来る大人が減ったのも、新成人が酒で騒ぎを起こす一因だ、と私は云いたい。まぁ、下戸の私じゃ説得力も皆無か
どの回も、雰囲気の好い居酒屋や洒落たBARに行きたくなるものばかり。その中で、私の食欲を刺激したのは、220夜「鯨のさえずり」だった。しぞ~か県人なので、鮪は普段から食べられるし、イルカの美味しさも知っている。だが、鯨の舌はまだ食べた事がない。ここ界隈であるかな、出してくれる店
この台詞を引用に選んだのは、深いなぁ、と思ったので。こういう、社会人が納得できる点があるからこそ、この『ワカコ酒』の人気は根強いんだと思う。奇抜な攻めが、良い結果を出す事もある。けど、そのやり方で成功する人は、ちゃんと基礎がしっかりしていて、基本を疎かにしない、絶対。王道の良さが分かっているからこそ、大胆な勝負に出られるし、周囲を黙らせることが出来る結果を生める。基礎を極める地道な努力を蔑ろにする奴の挑戦は、大抵、自爆で終わる、と言うのがお約束だ

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: コミック(徳間書店)
感想投稿日 : 2017年11月18日
読了日 : 2017年9月5日
本棚登録日 : 2017年8月19日

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