ちーちゃんはちょっと足りない (少年チャンピオン・コミックスエクストラもっと!)

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本棚登録 : 1066
レビュー : 123
著者 :
『黒犬』の優樹さん コミック(秋田書店)   読み終わった 

初っ端から、「大きなお世話」と阿部先生に怒鳴り返されそうな事を書くが・・・編集部は、先生を休ませて、心療内科に連行すべきじゃあるまいか
先日、阿部洋一先生の「橙は半透明に二度寝する」を読むと、薄暗い不安に駆られる、とレビューに書いたが、撤回したい
この『ちーちゃんはちょっと足りない』の方が心理的に軋む
不気味とか、おぞましいとか、そんな言葉で表現できる領域を超越してしまっている
読んでいて気持ち悪くなった漫画、バッドエンドで後味が悪いと思った漫画はこれまで何冊かあったが、読み終わって、自分が発狂してなくて安心したのは生まれて初めてだ
ジャンルは正直、断言できない。大雑把に言えば、少年漫画なんだろうが、ぶっちゃけ、子供が読んでも理解が追い付かないだろう。同時発売された『ギャラクシー6』と同等のスクールコメディなのかも知れないが、違う気もする・・・少なくとも、乾いた笑いすら出なくなったからな、途中から
読んだ人間の感じ方は様々なのは承知しているが、私はちーちゃんとナツの間にあるそれを「友情」とは呼びたくないなぁ
ちーちゃんのバカさ加減はイラッとはする、確かに。けど、『アホガール』のよしこと同じで、天真爛漫な言動は憎めない、悪戯をする子犬や子猫を可愛く思うのに近いかも
しかし、ナツの「卑怯」と使うのは、真っ当に卑怯な人間に対して申し訳なくなるほど、下卑た品性から来る言動は、ムカつきすらブッチ無視で殺意を抱くに至りそう
彼女は完全に、ちーちゃんに寄生しているのだ。面倒を見てあげている、そんな優越感に浸る一方で、自分のチンケなプライドをちーちゃんに守らせているのだ
確実に、ナツは弱い人間だが、同情したくない。成長を期待しているから、あえて冷たく突き放す、とかでなく、正直、関わりすら持ちたくない。初見で見知らぬ他人の評価を「最悪」にしない自信だけはあったが、ナツを見たら一瞬で「最低」の烙印を押してしまうだろう、多分じゃなく絶対に
『空が灰色だから』も、心の中にある水面に、“不安”って名前の濁った色の滴が落とされ、波紋を広げ、不規則な形に薄まっていき、いつまでも消えずに残っているような漫画だったが、これは一話完結なのに加えて、割と高い頻度で救いのあるオチもあったから、何だかんだで好きになれた。でも、この『ちーちゃんはちょっと足りない』は長編で話が繋がっているからか、逃げ道を見つけられなかった
基本的に、レビューってのは誰かに読んで欲しい、感動を共有したいから書くもんだが、ハッキリ言って、この漫画を勧めて良いのか、悩む
でも、まぁ、いっそ気でも触れてしまいたい、と思っている人はこれを読めば、自分が八方塞がりの悩みを抱えて、悲劇のヒロインを気取った自分に酔っているだけ、と気付けるだろうから、いつまでもウジウジと言い訳を繰り返して、自分から行動を起こそうともしないヘタレに与えてみるのもいいか
――――――・・・・・・あぁ、これで少しは読んでからずっと、頭の中で蠢いていた何かが落ち着いてくれると助かるんだが

レビュー投稿日
2014年8月24日
読了日
2014年8月19日
本棚登録日
2014年5月8日
3
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