小さき者へ・生れ出づる悩み (新潮文庫)

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本棚登録 : 932
レビュー : 109
著者 :
kuromakuproduceさん 小説   読み終わった 

小さき者へ
最近は経済的な理由から結婚し子供を育てるにも大変なため独り身で過ごした方が楽であるというような風潮があります。
そのような時代の風潮により薄れてしまった父から子へとどう在って欲しいか。傍らにいる子を思って書く文章は涙をさそいます。

生まれ出づる悩み
生まれ出づる悩みとはなにか。山の風景を愛し、それと絵をもって表現したいという心と家族の一員として漁夫として常に厳しい海と対峙し生活しなければならないという情熱と生活の食い違いがあると著者は指摘する。(その話自体は作中の私の想像なのだが)

現代に生きる私たちにもこういう感情をもって生活してる人はいるように見える。時代が変わったからといって通用しなくなるテーマではないのかもしれない。むしろ今のほうが共感できる人間は多いのではないか。

自然の表現について設定している私(有島自身だろう)がとても丁寧に時にオーバーにその有様を想像し描写していることから、文学者としての自分の葛藤をどこかに組みこんでいるのではないかと思った。

レビュー投稿日
2011年5月11日
読了日
2011年5月13日
本棚登録日
2011年5月11日
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