バチバチと火花散る心理戦。これ主役はサンセヴェリーナ公爵夫人といってもいいのでは。そのくらい彼女が活躍しているし、性格もハッキリしていて潔い。男にとっては怖い存在なんだろうけど、そんな彼女が唯一思い通りに動かせない存在がファブリスというのがミソ。思い通りになってしまったらそれはそれでスキャンダラスだけど…。
ファブリスにはちっとも同情できなかったし、ラストもそんな終わり方?というガッカリ感。政治や権力争いの描写を興味深く読めないと、半分も楽しめない作品だと思う。僧院はあまり出てこないし、ファブリスには信仰心なんてない。ヒロインには信仰心はあるけれど、影が薄い。そして最後には…。うーん、色々納得いかない。
やはり、大公や公爵夫人、モスカ伯爵、そのライバルたちが繰り広げる宮廷の陰謀や駆け引きが主な見どころかな。個人的な結論:「赤と黒」に軍配。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
海外文学
- 感想投稿日 : 2017年9月7日
- 読了日 : 2017年9月7日
- 本棚登録日 : 2017年9月1日
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