百年泥

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本棚登録 : 656
レビュー : 141
著者 :
マヤさん 日本文学   読み終わった 

あったかもしれないなにか、かあ。これ、舞台はインドだけど、思いっきり日本を書いた日本の小説だなあと感じた。だってインドの人はたぶん「もしも〇〇だったら」なんて考えないから。生まれ変わったら何になりたい?という質問の答えにもそれが表れていて、その違いが興味深い。幸せの在るべき形が決まりきっているのはつまらない気がするが、そう感じるのは私が現代日本で育ったからなのだな。
百年分の泥の中に見つかるものは、その人自身を表しているのだろう。教室でのエピソードや後半の回想などからこの主人公はなんだかんだ言いつつデーヴァラージを憎からず想っていたのだとわかる。現実的なことと非現実的なこととが入り乱れているので、デーヴァラージは洪水で流されて死んでしまったようにも読めるが、その記憶もまた彼女の心の中で泥に埋もれて行くのだろう。
泥の中に埋もれているものをいちいちほじくり返すことは普段しないが、何かをきっかけに向こうが勝手に顔を出すことはある。泥はわかりやすい例えだと思った。

レビュー投稿日
2018年2月27日
読了日
2018年2月27日
本棚登録日
2018年2月27日
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