浮世の画家 (ハヤカワepi文庫)

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本棚登録 : 806
レビュー : 108
制作 : 飛田 茂雄 
マヤさん 海外文学   読み終わった 

できることなら記憶の底にしまっておきたい人生の黒歴史、それとどう向き合うか。「人から見た自分」が気になる度合いは人それぞれ、全然気にならない人もいれば自意識過剰な人もいる。この主人公は、若干自意識過剰気味かな?と感じた。絵でも文章でも音楽でも、表現者は表現した時点で役目を終えており、全ては受け取る側の問題だと、私は思うから。同じものを見ても感じ方は千差万別で正解不正解はない。だから表現者は受け手側の反応などうかがわず思うように表現したらいい。それが後に黒歴史になる可能性なんていちいち考えていたらまともな表現などできないだろう。
ただ、この主人公は大衆に迎合しないと豪語しながら一方で他人に感化されやすい面もある。自己批判と自己正当化のせめぎ合い、その巧みな描き方にこうして人間はできてるんだなあ、と感心させられた。そしてこれが『日の名残り』へと昇華するのね、なるほど。
自分が画家なら何を描くだろう、と考えるのは結構楽しい。

レビュー投稿日
2018年1月7日
読了日
2018年1月6日
本棚登録日
2018年1月6日
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