すいめん

著者 :
  • アリス館 (2021年7月16日発売)
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感想 : 15
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水面、それは空と海の境界線。
1枚のうすいまくのようなもので、
ゆらゆらとしていて、決まった形はない。

ぼくたちがくらすのは、空の世界。
水面をとおりぬけると、あっという間に魚たちがくらす海の世界。
まるで魔法のとびらのよう。

といった書き出しで始まるけれど、「すいめん」って、あの「水面」でしょ? なんて、軽い気持ちで思っていた私が恥ずかしい。空の世界側から見たのが、水面の全てではないことに、気付かされたからだ。

目から鱗が落ちるとは、このことで、海の世界から眺めた水面が、こんなに様々な形を見せてくれるとは思わず、びっくり。

太陽の光がすじとなって見えたり、海の色も様々な濃淡があったり、大波が来たときの景色は、白い泡の世界へと変わり、またそれが綺麗に見える。海上では大変なことになっているのに。これだけで、水面ひとつとっても、様々な顔があることを教えてくれる。

また、水面が海の生きものたちにとって、とても大事な場所であることも書かれてあり、いのちの大切さを実感させられる。イルカやクジラの呼吸や、生まれたばかりの赤ちゃんにとっての、安全な場所であったり。

それにしても、見開きで展開される写真が、本当に壮大で幻想的で綺麗です。特に、空を泳いでいるように見えるタカサゴの仲間たちの写真は、絵画のような美しさで、「これ写真なの?」と思ってしまうくらい。

しかし、これだけ美しい海にも漂うゴミの存在は事実であり、その写真を見ると改めて、何とかしないとという気持ちも湧き上がってくる。綺麗なだけに尚更そう思う。

そして、最後には、子供たちへの海中の神秘的な世界への案内があり、綺麗な世界を紹介するだけでなく、問題提起や未来へと繋げようとする思いを感じて、すごく爽やかな読後感でした。

私としては、ものの見方にも、色々な角度があることを改めて実感させられ、いくつになっても、こうした新たな気付きを得るのは、悪い気分じゃないなと思いました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 写真集
感想投稿日 : 2021年11月6日
読了日 : 2021年11月6日
本棚登録日 : 2021年11月6日

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