この(3)も尊すぎて、危うく、失血死寸前でした・・・・・・
ジャンルこそ違いますが、この作品もまた、藤田和日郎先生の作品のように、本気で読み手を殴ってくれます。
ギャルと真面目っ娘が、ただ、シルバニアファミリーで楽しく遊ぶ日常だけを描いていたら、ここまで高い打撃力にはなりません。
アオハルってのは、楽しい事だけじゃなくて、時に唇を噛み締めて我慢しなきゃならない辛い事や、自分のやり方が正しいのか、と脳味噌が沸騰するくらい悩んでしまう時もあります。
そういう苦さも含んだアオハルを、岡野先生は丁寧に、なおかつ、軽妙に描いてくれるので、グッと作品に踏み込んで、この良さをもっと感じたいって気持ちにさせてくれます。
この(3)は、ハッキリ言っちゃうと、(1)と(2)を上回っています。度合いは、ファンで感じ方は違うでしょうけど、私は結構な差を既刊に付けているな、この(3)、と思いました。
既刊の良さを凌駕している理由は色々でしょうけど、大きいのは、新キャラ(厳密には違うが)である大野くんがシルバニア沼へ飛び込んできた事、そして、菜々子、美守座が恩師たちの結婚式を盛り上げるべく、自分達に出来る、なおかつ、したい最大限の努力を発揮しているからでしょう。
愛がある故に作品の質を上げる、それを大野君が撮るシルバニアファミリーの写真が証明してくれており、菜々子、美守座のシルバニ愛を更にパワーアップさせています。まさか、シルバニアファミリーを撮る、それを目的にした部活まで設立しちゃうとは・・・この高校生の行動力は羨ましいもんです。
モラハラ教師を脱却した茂原先生と、保健室の先生である保田先生が、ついに結婚式を挙げる事となり、そこで、“写真部”はシルバニアファミリーを用いたウェディングムービーを発表する事となり、その編集を、意外な才能を自分が秘めている事に気付いた美守座が担います。自分の才能を活かせる「何か」を、若人が見つけ、それを頑張っている姿に涙腺が緩みそうになるのは、年を食っちまったからでしょうか?
いやー、そのウェディングムービーも含め、(4)で、菜々子と美守座の仲が進展するのか、そこは楽しみです。個人的には、“写真部”に、クセと同じくらい、シルバニアファミリー愛の強いヤンキーが入ってくれないかな、と期待しています。どんなキャラなら良いだろうか・・・やはり、キャラ弁作りが上手い不良とかか?
この台詞を引用に選んだのは、これもまた、アオハルだよなぁ、と感じたので、しみじみと。
菜々子と美守座が天使なのは確定なので、大野くんにとっちゃ、この二人は恋愛対象には決してならんだろう。
実際、彼は良い人だと思うので、(4)で、大野くんに恋のハリケーンが到来したら、それはそれで面白可笑しくなりそうですよね。
運動部のエースで、周りから王子様扱いされているけど、本当は自分も可愛らしい恰好をしたり、アイテムを持ちたい女子が、大野くんの撮った写真を見て、最初の一歩を勇気を振り絞って踏み出す展開とかアリじゃないでしょうか?
「リア充粉塵爆発ガス爆発蒸気雲爆発しながら幸せになれー!!!」(by大野大海)
この台詞を引用に選んだのは、美守座の魅力がしっかりと引き出され、同時に、より高まっている、と感じたので。
岡野先生、さすがです。
先にも書きましたが、学生が、自分の才能に気付き、それを活かしたい、と努力する姿は実に映えますよね。
美守座は、可愛いギャルではありますが、この顔は、実にカッコいいです。
彼女が、大切な友達に対し、嫉妬と名付けるほどじゃないにしろ、モヤモヤとしたモノを抱いていたからこそ、余計に、気合の入った表情に自然となるんでしょうね。
(勉強苦手、運動そこそこ、好きなものはシルバニア。遊ぶの楽しい。ずっと、それでよかったんだけど・・・。「菜々子ちゃん、すごいなぁ、シルバニアの服作れて」「大野の撮るシルバニアの写真、生きてるみたい」「私、なんにもないな・・・」そう思ってたんだ。でも・・・「みもざ、動画編集の才能あるね」初めて、自分にできることが見つかった)(by鶴井美守座)
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- 感想投稿日 : 2024年9月15日
- 読了日 : 2024年9月15日
- 本棚登録日 : 2024年9月15日
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