「黒犬」の優樹(2)の本棚

殿堂入りです。江口先生、また一つ、私の心の本棚に、名作を一つ増やしてくださり、ありがとうございました。
完結、それは物凄く寂しいです。ここで、寂しくない、と嘘を吐いたって仕方ありません。けど、文句なしのラストだったからこそ、殿堂入りですし、次回作が楽しみに待てるんですよ。
次回作に対する期待度は、それこそ、藤田和日郎先生の連載が終わった時と同じくらいに大きいです。江口先生からすると、シャレにならないプレッシャーはかけないで、って感じかも知れませんが、私的に、江口先生は藤田先生と互角に殴り合える存在なので。
ブラックユーモアな内容に、自分の人生について考える上で、大切な「何か」が含まれていて、最初から最後まで読み応えバッチリな作品でした。
この作品、最大の魅力、それは断トツで、主役である鬼灯様の存在感でしょう。怖いけど優しい、厳しいけど甘い、しっかりしているようでいて時に緩い。鬼神だけど実に人間臭いですよね、鬼灯様は。
そんな主役らしさを持つ鬼灯様が作品の主軸となり、各キャラたちと関わり、ストーリーを盛り上げ、オチをしっかりと付けていたからこそ、ここまでの人気になったのではないか、と私は感じています。
この(31)も、読み手の心に強く残る回ばかりでした。そんな中でも、私の印象に残ったのは、第267話「檎ちゃんの杖」でした。
一番に好きなのは、鬼灯様なんですが、次点が檎なんですよね、私。飄々としていて、ちゃらんぽらん、金にがめつく、ちょっと卑怯。男としてマイナスな部分が多いようでいて、何故か、憎めない。
檎ミキ派な私ですが、ぶっちゃけ、実際に、ミキちゃんが檎に恋愛感情を抱いているか、その辺りは微妙だな、とは思っています。ただ、少なくとも、ミキちゃんの中で、檎は特別な存在である、とは確信しています。兄たちへの好意や、鬼灯様に対するリスペクトとは異なる、温かな感情をミキちゃんは檎に対して抱いているように思えます。
なので、『鬼灯の冷徹』そのものは完結しちゃいましたが、檎ミキが恋愛方向に進展してほしい、とはマジで思っています。ほんと、檎がメインのスピンオフが読めなかったのだけが、ある意味、心残りかもしれません。
最後の最後で負の感情が漏れてしまいましたが、江口先生、本当に心から楽しめる漫画をありがとうございました。そして、次回作が、この『鬼灯の冷徹』の質を超えるモノになる事を楽しみにしております。

この台詞を引用に選んだのは、こういう事をサラッと、女性に照れずに言えちゃうから、鬼灯様はカッコいいんだよなぁ、と憧れてしまうので。
無変化、と言うと、悪いイメージに囚われがちだけど、変えないからこそ保たれる素晴らしいもの、もこの世にはあるでしょう。
何がある、そう聞かれると、まぁ、困るんですけど、あるのは確かだと思います。
大事なのは、あるがままを受け入れられる心に育てる事かと。
「あと、座敷童子さんは、そのオカッパが似合っていますよ。変えるよさもありますが、変わらないよさもあります。変える必要のない、素晴らしい状態ということですよ。あくまで、私の主観ですが」(by鬼灯)

そして、もう一つ、この(31)で私の心に響いた名言を紹介。
断言しますが、この言葉で〆ているからこそ、『鬼灯の冷徹』は、私の中で殿堂入り作品になりました。
確かに、と読み手を納得させるパワーを持つ言葉を出せる、それは漫画に限らず、小説を書く上でも大切な事でしょう。
自分は、カリスマにも、陰の傑物にも、陰の傑物の育成役にもなれそうにないが、せめて、一人でも多く、読み手の心にガツンッとぶつかっていける言葉を発すキャラを、自分の小説に登場させていきたい、とやる気が増しました。
「この世でも、あの世でも、統治に欲しいのは、冷静な後始末係である。が、そ...

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2021年6月6日

ネタバレ

凄かったです
むんこ先生が、四コマ漫画界のレジェンド、と評されている理由が、この『出会ってしまったツルとカメ』(2)で、大抵の漫画読みは理解できちゃうでしょうねェ
全2巻で終わってる作品なのに、と言われそうだが、この『出会ってしまったツルとカメ』は全2巻だからこそ、私に最の高と思わせてくれるのですよ
ストーリーの厚味が、とんでもないですね。(1)の時点で、凄いな、と思っちゃいましたが、この(2)はとんでもなかったです
むんこ先生が、四コマ漫画家として、最前線で戦えてるわけですよ。こんだけの力ある一撃を、読み手にブチ込めるんですから、そりゃ、レジェンドと呼ばれます
ぶっちゃけ、この『出会ってしまったツルとカメ』を、他の漫画読みにも、しっかりと読んで欲しいので、どんな内容だったか、は伏せます
ただ、質の高いラブコメで、鶴田と亀ちゃんは(1)よりもイチャついていて、何より、ハッピーエンドに着地してるんで安心してください(←何が?)
終わってしまって寂しいな、ってキモチはあるんですが、こうも幸せに満ちたラストを見せられちゃ、文句を言ったら、自分がケツの青いガキだ、と自分で吹聴しまくり、恥を掻くだけですね
ただ、サビしいって気持ちは拭って欲しいんで、この『出会ってしまったツルとカメ』を、ドラマ版『極主夫道』のスタッフ陣に連続ドラマ化してもらいたいです、ファンとしちゃ
こんだけ、読み手のハートを鷲掴みに出来るだけのパワーを持った漫画を、原作にしてドラマを作らなかったら、もったいない、と私は思うんですが、皆さん、どうですか?

この台詞を引用に選んだのは、鶴田くんは亀ちゃんが惚れるだけあって、イイ男だな、と思えるものだったので
クサい台詞かもしれないけど、あの亀ちゃんを赤面させられるのだから、威力は十分です
キッカケ、つまり、過去は気にせず、二人がイチャつける「現在」を楽しみ、なおかつ、これからも二人でラブラブする「未来」の為に頑張る、と言える鶴田くんは懐が深いです
鶴田くんと亀ちゃん、どうか、末永くお幸せに
「きっかけは変えらんねーよ。先のことだけ、考えよーぜ。だいたい、俺、いつ、お前に惚れたのか、わかんねーし、どーでもいいし」(by鶴田くん)

2021年5月30日

ネタバレ

漢同志の友情や恋愛ドラマの他にも、『花の慶次‐雲のかなたに‐』の、ここが良い、と言える要素がある、まだまだ、色々と。
その内の一つが、慶次と捨丸を代表とした主従関係だ。
さすがに、ナンバー1と言えるほどではないにしても、慶次と捨丸の主と家来、この関係が、読み手に何かを感じさせるのは確かだろう。
素晴らしい主に就く事が出来れば、部下の実力は伸びるし、優れた部下がいれば、主の器は更に大きくなる。慶次と捨丸の関係は、男同士の主従としては、ある意味、理想的なモノと言えるんじゃないだろうか。
今、この世にいるだろうか、この人と一緒に戦って死ねるなら、それでいい、と部下が自分の最期を潔く受け入れる事が出来るだけの上司が。
この(4)の見どころは、やはり、千利休と慶次が出会った事を発端として、揚げ屋を舞台にした大戦じゃないだろうか。
極端な話、慶次には侘助を助ける義理はない。しかし、慶次は助けた、彼を。そして、死ぬかもしれないのに、これだけの戦いに身を投じた、何の躊躇いもなく
こんな楽しそうな喧嘩に参加しないのはもったいない、それは建前じゃなく、傾奇者にして生粋のいくさ人である慶次の本音だろうが、端的に言ってしまえば、彼は助けたいから侘助を助けたんだろう。ほんと、カッコイイよ、この男は。
そんな慶次だからこそ、千利休や摩利支天のおばば、そして、あの徳川家康ですら惹かれるんだろう。良い意味での人たらしってのは、前田慶次みたいな人間なのかもしれない。
慶次が、このピンチを、どう突破し、楽しむのか、今からワクワクしてしまう。

この台詞を引用に選んだのは、慶次と助右衛門の、理由が要らない友情を説いてくれる、そこにグッと来たからである。
命懸けで仕えたい主に出会うのと同じくらい、今の世の中、こういう友情を築くのも、簡単じゃない。
まぁ、それは私に対人運がないだけからか?
そんな自虐はさておき、慶次の危機って状況で、親友である助右衛門が助けに来るって展開は、ほんと、王道のど真ん中。
勉強になります、隆先生、原先生。
「友とは、かくありたいものだな。運が昇れば、人は友達面して寄ってくるもの。されど、本当の友とは、日頃、疎遠でも、難儀の時にこそ、ひょっこり現れ、救いの手を差しのべるものよ」(by徳川家康)

2021年5月23日

ネタバレ

この漫画の良い所は、ヒロイン・穂高輪花のおっぱいに妥協を感じないトコ
大きくて形が整っている巨乳が好きな漫画読みは、きっと、拝みたくなる。つまり、参拝したくなる
もちろん、私がこの『穂高輪花のチャリと飯』を真剣に推すのは、おっぱいだけが理由じゃない。小さくはない、とだけ言っておくが
読むと、お腹が空いてくるのならば、それは良い食漫画。読むと、自転車に乗って走りだしたくなるなら、それは良いチャリ漫画、そんな条件も満たしてくれているのだ
中々に贅沢と言うか、攻めの強さを感じる漫画を読んだのなら、そりゃ、漫画読みとして、他の人にもお勧めしなきゃダメである
実際、チャリはお勧めだ。他の運動を下に見ちゃいないけど、やっぱり、私としても、自転車で汗をかき、筋肉を追い込み、体力のほとんどを費やした後の方が、ご飯は美味しく感じられる
穂高さんの美味しいモノを食べた時のリアクションは、ハッキリ言って、エロい。オブラートに包めないほど、エロい。ある意味、正解のリアクションが出来るヒロインだ
そんな穂高さんに惚れているっつーか、何気にコアな性癖を開花させられたD中学生・空君の存在は、ただでさえ素晴らしいこの漫画に、イイ感じの刺激を与えてくれている
エロいお姉さん×純朴な少年って組み合わせが、大好物の一つである私としちゃ、ラブコメ感も強くしてくれると、実に嬉しい
もちろん、空君がロードレースの魅力にガッツリとハマって、才能を開花させるって展開もアリ。実際、惚れた美女と再会するために、こんだけ走り込んでいたのならば、高い実力が備わっているんじゃないか、と推察している

この台詞を引用に選んだのは、空君に対し、同じ男として好感が抱けるものなので
断言は出来ないっつーか、あえて避けるが、ここまで、性癖がしっかりと確定している男子中学生も珍しいんじゃないだろうか
この時期の少年は、色々と手を出して、「好き」とトラウマを一緒に見つけていく感じなのに、空君は自分の「好き」をしっかり見つけていて、なおかつ、他者に対し、堂々と公開できている
相当な猛者だ、この齢にして
問題は、空君がレーパンを脱いだ穂高さんに鼻血を出せるか、だな
まぁ、空君の場合、彼女のムチムチな太腿にも興奮できそうだから、大丈夫か(←適当)
「ご飯を美味しそうに食べる女性が好きで、レーパン穿いてたら、尚良いねってだけだよ」(by水谷空)

2021年5月16日

ネタバレ

ドンピシャすぎて、辛い・・・・・・
唐突に、何のこっちゃ、とこの感想を読んでくださっている方にビックリされそうだけど、私の素直な気持ちだ、これが。
何がドンピシャか、と言うと、主人公・不知火棗のキャラクターが、私が今、「小説家になろう!」に投稿している小説の主人公に、だ。
もちろん、私はパクってないし、空翔先生にパクられた、とも思っちゃいない。しかし、私が小説を書いている際に、頭の中に思い浮かべている主人公に似ているので、ほんと、ビビった。
その主人公も、棗と同じく、見た目は凶悪で、不良と勘違いされがちだけど、中身は物凄く良い奴で、惚れたヒロインに相応しい男になりたい、と頑張れる男子高校生なのだ。
当然ながら、棗と違う点は多い。最も、大きな違いは、棗と違って、喧嘩を止めていない事か。まぁ、正確に言うと、私が「小説家になろう」に投稿している作品は、ゴブリンなどのモンスターが登場するので、必然的にバトルへ突入しちゃうから、喧嘩と言うよりは戦闘になるのだが。
何だか、私の小説を、「小説家になろう」で読んでくださいね、みたいなお願いになってしまった。
冗談で包んだ本心はさておき、この『なつめとなつめ』が、その衝撃を抜きにしても、私のハートを鷲掴みにしたのは事実だ。この手の両片思い系の、アオハルストーリー、私、大好物なのだ。きっと、それは私の学生時代が、青じゃなく赤だったからかも・・・
なりたい自分になろうと、自分が出来る努力を全てする棗と、そんな棗を優しく見守り、時には頑張りすぎちゃう彼をしっかりと諫め、自身も成長しようと励む夏目、最高過ぎる。これが、尊い、って感情だろうか。
そんな二人の周りにいるキャラたちもキラキラしているので、今後の展開が、本当に楽しみだ。個人的には、もうちょい、ラブな空気が強まると、キュンキュンできるので嬉しい・・・本音を言うと、勉強させてもらいたいので、そうなってほしい。

この台詞を引用に選んだのは、棗のカッコ良さを肌に感じられ、そして、彼の成長性がAを通り越して、無限大だな、と思えるものなので。
自分では、完璧だった、と思っていたやり方が、大切な人を泣かせ、心配させた事で、正しくなかった、と気付け、反省し、己の到らなさを痛感できる心の器は、もう、カッコよすぎ。
それだけでなく、そこで折れず、次は、大切な人を傷付けない、と決心し、今よりもっと頑張って、目標を実現させよう、と前を見られるタフさも、グッと来た。
こんな棗を好いている夏目は、ほんと、イイ女だと思う。
もちろん、私の作品のヒロインだって、夏目に負けないくらい、姿も心も別嬪だ・・・・・・って、しまった、また、宣伝してる!?
ダメですね、俺は。夏目に心配をかけて、ヒーローどころではないです。悔しいです。情けないです。かっこ悪いです―――でも、夏目、待っててください。今はまだ、頼りないですが、頑張りますから。そして、必ず―――お前のヒーローになってみせますから(by不知火棗)

2021年5月9日

ネタバレ

いるもんですねぇ、まだまだ、こんなぶっ飛んだ漫画を描ける逸材が
すっごく、シュールです、この『いてたまるか。』って漫画
シュールって表現を、1000%で体現しています。コメディ漫画、ギャグ漫画じゃなくて、シュール漫画って枠の中に入れておかないと、それこそ、他の漫画に迷惑がかかるんじゃないか、と思ってしまうレベル
涼川りん先生の『あそびあそばせ』や、位置原光Z先生の漫画も、結構、タガが外れている感がありますけど、個人的に、こっちの方がヤヴァいです、ハイ
自分で、精神状態が普通だ、と感じている時ですら、笑いが止まらなくなってしまうので、もしも、バランスが危うくなっている時に読んでいたら、どうなっていたか、判らないですね
正直なトコを言ってしまえば、深さは全くありません。兎にも角にも、読み手を笑わせる事しか考えてない人間が描いてるな、と本能で理解できる作品です
なので、鬱屈した気持ちを力技で吹き飛ばしたい方にお勧めしたいですね
また、シュールな漫画で一発、名を上げたい漫画家志望の高校生がいるなら、これをお手本にすべきでしょう。シュールってなんだ、って悩む羽目になって、夢の実現が遠ざかる可能性もありますが
個人的な好みで選ぶなら、山下先生推しですね。生徒らの若さに振り回される立場かと思いきや、結構、この女教師もクセが強いです。あと、ケツの形がイイってのも魅力ですね
私が特に、きょうさるって漫画家の狂気を感じ取ったのは、WEB版の「日々の楽しみ」でした。山下先生なんですかね、この女性は。なら、余計に好感度が上がりますね

この台詞を引用に選んだのは、ここからシュールなのかよ、とツッコんでしまったので
不覚でした。思えば、この時点で、私は『いてたまるか。』に敗北していたのでしょう
もしかして、このタイトルは、俺の漫画で笑わない奴がいてたまるか、そんな傲慢さが詰まったものだったのかもしれませんね
次回作は、私としちゃ、もっと、ギリギリの下ネタを詰め込んだものにしてもらいたいトコです
「ページをめくると、楽しいマンガが読めるよ。本を閉じると、苦しい現実に戻るよ」(by前橋ちあき)

2021年5月2日

ネタバレ

これは、中々にバイオレンスなスカッと感のある青年漫画だ。
精神的にヤバい奴じゃん、と言われそうだが、私は、こういう、猛毒を以て毒を制す内容の漫画が結構、好きなのである。
岩城宏士先生の『スモーキングサベージ』や、平松信二先生の『ブラックエンジェルズ』シリーズ、西川秀明先生の『職業・殺し屋』シリーズや、今現在、ヤングアニマルで大好評連載中の『合同会社 正義屋』が好みな人は、きっと、この『闇裁き』も面白い、と感じてくれるだろう。
死ぬよりも辛い目に遭い、精神が破綻した者が復讐心の権化になり、自分と家族から「普通」の生活と未来を奪った外道に痛みと苦しみ、そして、死と言う形で罰を与える。
実にスカッとしますね。
そんなに、日頃の生活でストレスが溜まってるのか、と心配されちゃいそうだが、この『闇裁き』のような漫画を読めば、綺麗さっぱり流されるような心の澱なので、まだ大丈夫だろう。
絵柄が刺々しく、また、ダークさ全開の粗い感じなのが、復讐譚なストーリーにマッチしている。このように、絵柄とストーリーに違和感がないってのも、私的に高評価だ。
これが、久保田先生のデビュー作っていうんだから、今後、どうなっていくのか、楽しみで仕方ない。
ちょっと不安があるとすると、この巻で終わってしまっているのかな、ってトコかな。(1)とは入っちゃいるから、続きが出るのだろう、と期待しているのだけど、(2)が電子版で出たら、ちょっと参るな。私、紙派なんで。
どの話も好きだが、成長性を感じられる「神の名のもとに」が、私的に一番のお勧め。人間、ここまで変われるんだな、と変に感心してしまう。

この台詞を引用に選んだのは、凄味を最も感じたので。
負の感情が捻じれず、歪まず、腐らず、こうも真っ直ぐになると、人は確かな平常心と克己心を保ったままで、闇に生き、外道を消す存在になる覚悟が決まるのだな、と戦慄した。
どう考えても、正しい行いではない。
しかし、間違った方法だからこそ、世の中から悪を滅ぼし、誰かを救う事もあるのだろうな。
(―――――・・・オレみてぇな・・・人達を・・・――――――あの地獄の・・・底から・・・救えるのなら・・・――――――いくらでも、殺ってやる)(by新道拓巳)

2021年4月25日

ネタバレ

シンプルに凄い。暴力、狂気、死の匂いすら漂ってくる、と錯覚してしまうほどに、バイレオンス
この手の漫画に耐性が全く無い人が読んだら、卒倒するレベルだな、と思う
キャラ、ストーリー、絵柄、どれも濃い、を通り越し、濃過ぎる
しかし、作品として、破綻を感じさせないのが、これまた、凄い
とんでもない漫画を描いて来る新人が現れた事に驚くと同時に、この先生のギラギラとした何かを見逃さなかった編集者さんには感謝したい
こういう風に、自分の全力を注ぎこむだけじゃなく、命すら削っている、と感じさせてくれる漫画を読んだら、本気で真剣白刃取りに挑みたくなるのが、漫画読みの業だろう
ヤバい殺し屋が、悪人を、無慈悲にぶった切る、そんなスカッと感が好きな人には、ぜひ、読んで欲しい
しかし、個人的には、本編よりも、読み切りの方が、長谷川先生の「熱」を感じ取れるように思う
人間、スイッチが入ったら、何でも出来るんだな。もちろん、相当な努力したからこそ、トップまで上り詰められるんだろうけど
理想論かもしれないが、実際に、長谷川先生はスイッチを押せない男のままで終わらず、こうやって、漫画家デビューしているんだから、本気の凄さは証明している、自分で

この台詞を引用に選んだのは、この『僕はアナタに殴られたい』に、長谷川先生が込めた魂の叫びだな、と感じたので
もちろん、実際は違うかもしれないが、私の胸に響いたのは、この台詞だった
カッコいい、とは違うかもしれないが、これだけは嫌だ、と思う何かが分かっていて、そうならないように足掻く姿は、誰であろうとも、相応の輝きを発すものだ
絶対とは言えないが、こうやって、全力で抵抗している人の生き方で、本気スイッチが押される人は、きっと、クソみたいな人生の終わり方を回避できるように思える
そして、その人もまた、誰かを本気にさせられるのだ
「・・・・・・『死』は怖くないの?」
「怖いよ。でも、クソみたいな人生で終えるのが、最も怖い」(by根暗大助、風間さん)

2021年4月18日

ネタバレ

最高でした。
しかし、この感動と感謝を表現するには、「最高」って二文字が適切じゃない事に対する悔しさは、誰でもない、私自身が特に噛み締めています。
もし、(1)~(6)までの感想を読んでくださっている方がいたら、「やっと、書けたのか」と呆れるでしょうか。それとも、「もう、書けたの!?」と驚くのでしょうか。
私も、正直、どっちか、判断に迷いあぐねるところですが、2018年の5月に発売された漫画を、2021年に読み、今、感想を書いているんですから、漫画読みかつ感想書きとして、どうなのか、とは自問自答しております。
でも、本当に、最終巻である事を受け入れる覚悟が、中々に決まらなかったんですよね。自分の33歳の誕生日ってキッカケがあったからこそ、何とか読めました。
安藤先生に申し訳ない気持ちでいっぱいになりつつ、誕生日に、こんなにも「最高」に収まりきらない作品を読めた私は幸せだ、と確信できました。
この(7)でも、町田くんは町田くんのままでした。自分が知らなかった感情と向き合い、受け入れ、前進しても、彼は彼の良さを失ったりしませんでした。
それだけの事を素晴らしい、と思わせてくれる、町田くん。彼には、幸せになって欲しいですね、猪原さんと一緒に・・・いえ、猪原さんだけじゃなくて、もっと、大勢の人も、これから、幸せな方向へ進ませられますよね、彼なら。
こうやって、最終巻の感想を書いていると、安藤先生は、やはり、羽海野チカ先生と互角に殴り合える怪物に成長したな、と思います。『昏倒少女』や『透明人間の恋』で、ガヅンッとぶん殴られ、安藤ゆきって漫画家に惚れたのは間違いじゃありませんでした。
もっと、もっと、安藤先生が成長してくれるのが楽しみです。こんな風に、漫画家が脱皮していく、それに言いようのない至福さを感じられるから、漫画読みは辞められませんって(笑)

この台詞を引用に選んだのは、『町田くんの世界』で安藤先生が漫画家としても、一人の人間としても、間違いなく、成長している、と思えるものだからです。
安藤先生が、このような考え方を持っているからこそ、町田はじめ、と言う至高のキャラの口から出た時、この台詞には揺るがない説得力、いわゆる、言霊が宿るんじゃないでしょうか。
小説や漫画の主要なキャラには、書き手の人間性が強く投影される、この説は本当かも知れませんね。
前に進めなきゃダメなんだ、とプレッシャーをかけるつもりは、もちろん、ありません。
後悔に囚われ、前に進めている自信が、今イチ、持てないので、私は。
なので、止まるにしても、時間を無駄にせず、どうやったら、前に進めるか、自分の心で悩み、考え、足掻いてみるのも大切、とだけ言わせてください、せめて。
「いくら謝っても、過去は変わらないよ。時間は決して戻らない。進むんだ。だから、俺たちも進むんだよ。過去の自分とは違う。後悔した分だけ、進むんだ。そして、そんな君の心は、絶対、君の中にしかないよ」(by町田一)

もう一つ、この最終巻でグッと来た台詞を紹介させてください。
町田くんが、人を好きであるのは、今さら、言うまでもありません。
しかし、町田くんが、猪原さんに対して抱いた「好き」は、他の人に対して感じる感情とは、明らかに別種です。
それに戸惑いながらも、「好き」な人たちと関わり合う事で、その感情が「恋」である、と自覚を果たしました。
恋をした、と自分の心を理解した事で、町田くんに、ある変化が起きました。
そう、欲が芽生えたのです。しかし、欲と言っても、ドロドロとはしていません。むしろ、キラキラした欲です。
自分がその人を本当に好きで、自分を好きになってくれた人の心が欲しい、自分だけの所有物にしたい、と望むことは決して、間違いじゃありません。
もちろん、手に入...

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2021年4月11日

ネタバレ

最高でした。いや、内容が内容なので、最高って表現が相応しくない事は、重々承知していますよ、私だって。
しかし、この作品そのものの評価は、「最高」としか表現できないレベルに達しています。そうである以上、恥は承知で、素直に「最高」と言うしかないでしょう。
表紙と、書店にある試読の小冊子で、何となく、内容が重めであるな、と察し、購入を躊躇っていたのですが、ブクログの談話室で背中を押してもらい、購入に到りました。
当然のように、「どうして、こんなにも最高の作品を、もっと早く読んでいなかったのか」と激しい後悔が襲ってきました。そんな後悔を、漫画読みに与えられる事が、最高の漫画に必要なものではないか、と私は思っています。
大雑把に内容を説明すると、戦争、しかも、前線で、一つしかない命を懸けて戦っている女性たちの“日常”が描かれています、この作品では。
戦争には、大勢の女性も関わっていて、そこには十人十色のドラマがありました。
仲間内で共有できる喜びも悲しみも怒りも悔しさも、友人と別れる辛さも、ちょっとした事に対する嬉しさも、底無しな恐怖も、薄まることのない絶望も、八方ふさがりになるほど物資不足に陥った現状への不満、限界まで追い詰められたからこそ純度が増していく生への執着、人間の心理が全て、ハッキリとしたタッチで描かれており、胸を強く揺さぶられます。
言うまでもありませんが、戦争は正しくない行いです。そんな当たり前のことを、本物の戦争を知らないで済んでいる世代に噛み締めさせる、それの必要性と困難さを、この作品が穏やかに、しかしながら、厳しく教えてくれます。
戦争は、大勢の人から何もかも奪っていき、あらゆる事柄を変えてしまい、全てを歪めてしまいます。性別、年齢、立場は一切、関係なく、大勢の人が何も得られず、それでいて、何が大切なのか、大事にすべきなのか、を思い知らされたのでしょう、戦時中に。
人によっては胸糞悪くなったり、過酷すぎる戦争の一面にショックを受けすぎてしまうかもしれません。その上で、あえて言います、これは現代人が読むべき漫画である、と。コロナ禍を筆頭に、多くの難事に直面させられている今だからこそ、読む必要がある、と私は感じました。

この台詞を引用に選んだのは、もう、そりゃ、シンプルに破壊力抜群だな、と感じたからに他なりません。
女性は弱い存在ではない、と感じさせてくれる台詞じゃないでしょうか、これは。
情ない話ですが、この台詞で、女性の心の強さを感じてしまうのは、私がどこか、無自覚で女性を見下していたからかも知れません。見下している、と言うか、一種の恐怖があって、その裏返し的な感情でしょうか。
男に生まれたからと言って、女性に無条件で勝っているなんてことは、絶対にないんでしょうね。
優劣なんぞ付けるべきではないんですが、あえて言えば、男はどう足掻いたって、女性には敵わないんですよ。
努力や勝負、それ自体が無駄とは言いません。ただ、そもそも、男が女性を相手にしてムキになるのは滑稽ですし、勝ち誇るのだって虚しいでしょう?
女性は強い、それを当たり前のことだ、と受け入れてこそ、カッコいい男じゃありませんか。
女性に、こんなにも胸に響く台詞を言って貰える、そこまで愛して貰える男になれるよう、頑張ってみたくなりました。
「私たちには、子供がいません。家は燃えて、無くなりました。写真も残っていません。なんにも残っていないんです。夫を国に連れていけたら、お墓なりとも残ります。戦争が終わって、私の帰る場所ができます。同志元帥!あなたは、恋をしたことがおありですか?あたしは夫を葬るんじゃありません。恋を葬るんです」
(答えはありません)
「それでは、私もここで死ぬわ。彼なしで生きる意味がありません」(byエフロシーニヤ・...

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2021年4月4日

ネタバレ

雷電vsシヴァの喧嘩、ここに決着!!
ただ、一言、凄かった、としか言えない内容と結果でしたね。
ただただ、とんでもなかったです。
この『終末のワルキューレ』は、バトル漫画の中でも、相当にハイレベルな作品であるのは、(1)の時点から、読み手の全てが理解していました、本能的に。
ただ、その理解が、まだまだ、浅かったことを私は、この(10)で思い知らされました。
当然と言えば当然なんでしょうが、全く、限界なんて迎えていなかったんですね、この『終末のワルキューレ』
何が怖いって、この時点で、相当に熱いのに、まだ、上がるな、と予感、いえ、確信させるところですよ。
けど、「怖い」よりも「楽しみ」が勝ってしまうあたり、私も、やっぱり、漫画読みなんでしょう。
これほど、面白さが止まらない漫画を、心の底から「大好き」と言えるなら、私は赤の他人に、いくら、バカにされても、全く気になりませんね。
さぁ、次の戦いは、どんな組み合わせになるんだろう。もっと、私をワクワクさせてください!! 心の筋肉をバンプアップさせ、心を炭化するまで燃やさせてください!!

この台詞を引用に選んだのは、雷電が、誰しもが認める最強の力士である、と証明している、と感じたからです。
大雑把に纏めてしまうと失礼に当たるのでしょうけど、これは、やはり、「愛」と呼ぶべきものです。
カッコいいものですよね、自分が愛するものの為に全力を出せる事が何よりも嬉しい、と笑う男は。
スルーズが惚れこむのも納得です。
なれそうにない、と判っていても、憧れちゃいます、男として。
「やっと・・・やっとなんだよ・・・裏切り続けてきた大好きな“相撲”を・・・本気“ガチンコ”で取れるんだ・・・・・・・・・頼む・・・ワシの体を・・・いや、命も全部、この一番に懸けたい・・・なにせよ、ワシぁ、力士だからな」(by雷電為右衛門)

2021年3月28日

ネタバレ

雷電vsシヴァの素手喧嘩は、実に熱く、激しく、爽快感に満ち、何より、面白い! 破壊者と破壊神の殴り合いは、もはや、レベルが違いますね。
生前は抑えるしかなかったために、雷電は一度も、全力を出せませんでした。
しかし、今、戦乙女三女・スルーズと神器練成を果たした事で、彼は自身の筋肉を自在に操作できるようになり、シヴァの肉体をも破壊する桁違いの腕力、握力を発揮できるようになりました。
雷電の戦い方、そのスタイルを見ていると、やっぱり、力士として全力を出せなかったんだろうな、と感じられます。相撲が劣っているとは言いませんが、雷電が全力を出せるのは、総合格闘技系かプロレスだったのかも知れません。
ただ、シヴァ相手に躊躇なく、全力を出している雷電ですが、どこか、つまらなさそうにも見えます。もしかすると、「壊れんなよ?」、この台詞はシヴァの体を案じている訳じゃなく、心が壊れ、自分が楽しむ前に降参してくれるなよ、みたいなニュアンスなんでしょうか?
もちろん、シヴァだって、一歩も引きません。
何故なら、彼はこれまで倒してきたライバルらの想いも背負って、インド神話界最強の立場に君臨しているんですから。
自分が負ける、つまり、最強じゃなくなるのは、自分に全てを託してくれた親友の気持ちを無駄にしてしまう。シヴァにとって、死よりも恐ろしいのは、敗北なのでしょうね。
そんなシヴァに対し、雷電の本気が、どこまで引き出されるか、楽しみです。
同じくらい、どうなるのか、ワクワクが止まらないのは、釈迦とロキの確執ですね。ほんと、沖田総司は、釈迦とロキ、どっちとタイマンを張るんでしょうかね。どっちと戦っても、楽しい事になりそうですけど。

この台詞を引用に選んだのは、男同士の友情にグッと来たので。
マブダチだからこそ、自分の全力を受け止めてもらえるのが何よりも嬉しい。
マブダチだからこそ、自分に気を遣って、嘘を吐かれてしまうのが辛すぎる。
こんな風に、本気で怒ってくれる親友がいて、シヴァは本当に幸せですね。
ルドラほどの強い男から、「最強」を託されてるんですから、シヴァが底抜けに強く、同時に、どれほど追い込まれても諦めないのも納得です。
こんな風に、人間臭い部分を神に感じさせてくれるからこそ、この『終末のワルキューレ』は最高なんだな、と実感しますね。
「いいか、シヴァ・・・全力で向かってくるヤツには、最後まで全力を尽くせ。命がけで闘“や”る相手に手を抜かれるのはな、死ぬことよりも、ずっと辛えんだよ!」(byルドラ)

2021年3月21日

ネタバレ

こちらも、『日々、君』と同じくらい、小池先生らしさが滲み出ている
私的に、この『若旦那はザンネン。』を読んでもらいたいのは、私と同じく、しぞーか人。老舗の茶舗が話の舞台であるなら、お茶で有名な静岡に住んでいる者としちゃ読んでおきたい漫画
お茶の淹れ方や豆知識が、ちょいちょい出てくるので、何気に役立ってくれるのも嬉しい(←これまた、失礼)
あと、本宮ひろ志先生の代表作『サラリーマン金太郎』や『グッドジョブ』の愛読者にも、私は自信を持って推薦できる、この『若旦那はザンネン。』を
働くってことに対する意識や、自分が生活していく場所を寂れさせないためには、どんな努力をすべきか、を考えさせてくれる
タイトル詐欺でないのも、これまた、高ポイント。確かに、この『若旦那はザンネン。』の榊しのぶは、残念な部分がある。けど、駄目な奴じゃない
自分の捻くれたコンプレックスと必死に向き合って、自分を変え、大切な場所を守り、なおかつ、より良くしていこう、と頑張れる芯の強さがある
そんなしのぶの良さを知ってくれている友人らが、彼を支えている姿には、結構、グッと来るものがあるので、その手のストーリーが好きな人にもおすすめ
基本的な内容は、このままを維持してほしいにしろ、小池先生のファンとしちゃ、もうちょい、ラブコメ要素を濃いめにしてほしい。しのぶの漢気を引き出すようなヒロインが、今後、出てきて、彩り豊かになってくれりゃ嬉しい
あと、バブが可愛いので、実際に作ってくれないかな、月刊まんがくらぶの編集部さん。人形が無理そうなら、せめて、ラバストか缶バッジを

この台詞を引用に選んだのは、小池イズムを感じ取れるので
作中で、しのぶの、不器用な前の向き方に好影響を、特に受けているのは、晴太郎かもな、と私は思っている
しのぶに、自分が抱えている傷を打ち明けて貰い、彼の見た目からは想像できない強さを知った事で、晴太郎も人間的に成長しているんじゃないだろうか
彼の言う通り、世の中、色々な人がいる。出来る事、出来ない事も人それぞれで、生き方っつーか、どう生きたいか、も千差万別だ
自分や世間の常識に当てはまらない生き方をしている他人を、輪から追い出すのではなく、己を成長させるために受け入れられる柔軟さを持つ人間を、私は尊敬する
こういう考え方を出来る晴太郎を、愛し気に見つめるみずほちゃん、良い顔している
周りがよく見えていて、気遣いもできる晴太郎だけど、大体、こういうタイプは、自分に向けられている恋愛感情には疎いもんだから、みずほちゃん、もっと、積極的に行った方が良い
「・・・器用な人もいれば、不器用な人もいる。人によって、当たり前に出来ることは違う。全ての人が、同じように生きられるわけじゃな・・・ただ、それだけのことなんだと思います」(by日ノ出晴太郎)

2021年3月14日

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先の(2)で、前田慶次の魅力を表している一つは、男同志の友情と書いた、私は
また一つ挙げるとするなら、やはり、女性関係だろう
女性関係、こう書くと、やや爛れてしまうような気がしないでもないが、そこはやはり、前田慶次、汚れた感じが全く無い。きっと、慶次が、命懸けで相手の女性を愛そうとしているからじゃないか、と思う
この『花の慶次‐雲のかなたに‐』に登場する美女らが、慶次に惚れるのも納得だ、と思えるのだ、自然に
恐らく、男性読者の大半も、仮に自分が女性として生まれていたのなら、慶次に抱かれたい、と思うんじゃないだろうか
しかし、慶次の恋路が常に上手く行く、とは限らない。悲しい結末になってしまう事もある。ただ、慶次に惚れた故に命を落とす事になった蛍の死に顔には、一切の後悔はなく、むしろ、幸せしかなかった
そんな蛍を巡って、慶次と戦った、凄腕の忍者・蝙蝠もまた、良い男だった。慶次の優しさに触れ、感謝しながら去って行ったのが、その証拠だ。また、蝙蝠は慶次に、かつて、自分が命を狙い、なおかつ、その気迫に震わされた信長の雰囲気も見ており、それも彼が漢である事を示しているように思える
今、原先生が、『いくさの子 織田三郎信長伝』を連載中である事もあるんだろうが、全漫画家の中で、最も、原先生が織田信長の凄味を引き出せる人だ、私的に
心から慕う父・前田利久を喪った悲しさを噛み締めながらも、決して立ち止まらない慶次は、ついに加賀を飛び出した。まぁ、その際、利家相手に、とんでもない事をしているんだが、それはそれで、慶次の優しさの示し方だった
果たして、慶次が日ノ本に散らばる猛者どもを相手に、どんな大暴れをし、絆を紡いでいくのか、実に楽しみだ。この(3)で、早速、新たな供・捨丸を得た事で、尚更にワクワクする私であった

この台詞を引用に選んだのは、ほんと、前田慶次の男前っぷりに濡れてしまいそうになったので
冗談抜きで、この手の台詞は、前田慶次くらい、良い男じゃなきゃ言っちゃいけないような気がしてくる
こんな事を言われたら、そりゃ、女性からしたら、満足できる死を迎えるだろう
これほどの優しさを示した後に、慶次が鬼の形相となるのが、これまた、彼の愛の深さを、より濃く感じさせてくれる
表情のギャップと言っていいのか、その辺りは自信がないが、とても勉強になった
「け・・・慶次様・・・なぜ・・・私がついだお酒を・・・」
「おれの首は、お前にやるっていったろ。おまえがついでくれた酒なら、たとえ、毒が入っていても飲んださ」(by蛍、前田慶次)

2021年3月7日

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まず、ビックリしたのが、あの鯨川リョウ先生が結婚していて、奥さんも漫画家だったってコト
鯨川先生の『秘密のレプタイルズ』は私が大人買いした作品かつバイブルの一つなので、純粋にビックリした。しかし、読むとお似合いの夫婦だな、と納得できる。言い方は妙かも知らんけど、この旦那ありにして、この嫁アリって感じ
内容に関しちゃ、私はあんまり、辟易しなかった。そもそも、表紙を見ただけで、方向性がそちら側へ突き抜けちゃっている作品だ、と理解できるのだから、気持ち悪くなるはずがない
それこそ、ぽんとごたんだ先生の『桐谷さん、ちょっそれ食うんすか!?』や茸本朗/横山ひろと先生の『僕は君を太らせたい』、もしくは、九井諒子先生の『ダンジョン飯』を読んで、食欲が刺激される、私と同じタイプの漫画読みなら、この『アタマの中のアレを食べたい』も楽しめるだろう
ある意味、人間としても、爬虫類など一般的ではないペットを飼っている者として、正しい姿勢を、この夫婦は示してくれているかもしれない。もちろん、人によっちゃ、違う、と思う方がいるのも承知はしている
少なくとも、私は、この夫婦の考え方と生き方、命の尊重の仕方に対し、好感が持てて、二人がこれからも幸せでいて欲しい、と思うだけだ
ただ、注意ってほど大袈裟じゃないんだが、ぶっちゃけ、夫婦系イチャラブコメとして、結構、強めなので、その手の話が得意じゃない人は、つい、舌打ちが出るかもしれない
この(1)で、タイトルの謎をしっかり回収(?)してくれているのも、個人的には好感が持てる
個人的には、(2)でも、「珍獣屋」さんの店長・伊勢谷虎徹さんの登場頻度が、(1)と同じくらいだと嬉しい。こういう、主役に負けないサブは結構、好き。女装ver.も含め、見た目が私的にタイプだ
この(1)で、私的に気になったのは、やはり、馴鹿肉。食べ慣れているってほどではないにしろ、鹿肉の味を知っている身としては、どんな違いがあるのか、己の舌と胃で知りたい

この台詞を引用に選んだのは、伝わって来るなぁ、と感じたので
仮に、マンガじゃなく、文字だけであってとしても、これは読み手に百足の味が、どんだけ凄いか、をリアルに伝えられる
勉強になる
しかし、ひめさん、付き合いがいいっつーか、度胸が凄い
ウーパールーパーやカメレオンなら、まだ抵抗感少な目で食べられるが、虫は正直、ダメだ、私
飼いたい対象だからっつーより、食べ物だ、と脳が認識しないのかも
未だに、レプタイルズショーの屋台で出るコオロギの素揚げなんかも食べる気が起きないし、虫食の代表とも言える蜂の子や蝗の佃煮もダメ
しかし、小説の質を上げるのは、実体験。となると、いつか、虫を食べねばならない時も来るのかも知れない
とりあえず、ひめさんには、次巻でも登場してほしい。そんで、また、とんでもないモノを食べさせられて欲しい(←外道か)
「・・・他の虫は、イメージさえ改めれば食べられるけど、ムカデはダメだ! 重めの風邪が治るくらいでないと割に合わない!」(byひめさん)

2021年2月28日

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神と人類の真剣勝負、その四回戦目は、「史上最悪の殺人鬼」ジャック・ザ・リッパーが、「唯一無二の英雄」ヘラクレスに勝利しました。
死力を尽くして得た勝利ながらも、ジャックの心に宿るのは、自分を理解してくれた者と、もう会えない事実に対する喪失感。それを感じられるのならば、やはり、ジャックは血も涙もない殺人鬼であっても、心無き化け物ではないってことなんでしょう。
ジャックのおかげで、二勝二敗の状況に持ち込めた人類サイド。ここは、次戦も勝って勢いを付けたいが、神サイドは逆に負ける訳にはいかない状況。
人類サイドが第五戦目の戦士に選んだのは、相撲が好きであるならば、知っておかなきゃならない力士の一人。仮に、人類史上最強の力士を決めるのであれば、間違いなく、一位になるであろう漢、そう、雷電為衛門!!
最強すぎるが故に、「張り手」、「鉄砲」、「閂」、そして、「鯖折」、この四つの技を封じられてしまった、けど、全く意に介さず、最強であり続けた雷電です。
まさか、ここまで、三大欲求丸出しで、なおかつ、筋肉が異常発達してしまうって特異体質って“ハンデ”を負い、この戦いまで一度も全力を出せずにいたキャラクターにしているとは予想外。こういうぶっ飛んだ設定力は勉強になります。
そんな雷電と相対するのは、「メガテンシリーズ」愛好者であれば、終盤戦で絶対に主力にしていたであろうシヴァ。破壊神と言ったらシヴァじゃないでしょうか
果たして、このシヴァは、どんな過去を持っているのか、今からワクワクしています。
現時点で、どっちが優勢か、は判らない雷電vsシヴァから目を逸らせないのも当然ですけど、よもや、こんな場外戦が勃発するとは。攻めてくるなぁ、梅村先生w
さすがに、この場で決着しちゃうとは思えない。明らかに危なっかしい沖田総司が、ロキと釈迦、どっちと本戦で戦うのか、楽しみ。私的には、ロキと闘ってほしいトコですね。

この台詞を引用に選んだのは、マルスに対する好感度が上がったので。
戦闘力で言えば、ヘラクレスには及ばない。だけど、心の強さなら、もしかすると、そこまでの差はないかもしれない。
こんな風に想ってくれる神友がいたヘラクレスは、ほんと、幸せ者だ。
しかし、それだけに、やはり、ヒルデガルドが何を考えているのか、そこがまだ読み切れないな。
ロキの読みが正しく、釈迦が裏切っていたのなら、彼に助力を仰ぎ、代償を差し出すのを良しとしたのは、彼女ってことになりそうだが。
「違う・・・そうじゃない。称えるべきなのは・・・最後まで、折れなかったヘラクレスだ!! ヤツは最後の瞬間まで・・・変わることなく、前を向いていたんだ・・・・・・だから・・・だから・・・・・・・・・・・・神友“しんゆう”に報いるため・・・オレもまた、前を向こう」(byアレス)

2021年2月21日

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前田慶次の生き方がカッコいい、と読み手に感じさせる一つには、やはり、漢同志の友情があるのは間違いない
類友の例ではないだろうが、前田慶次ほど、強い男であれば、友もまた、強い
前田慶次が、戦国に生きる男として頭が一つ以上抜きん出ているのは確かだろうが、奥村助右衛門も慶次に劣らぬほど、男前だ
慶次が命令違反上等で、死地へ飛び込み、助けに駆け付けるだけの存在だけあるな、と一挙一動から感じられ、胸が揺さぶられる
きっと、私だけじゃないだろうな、慶次と助右衛門の友情を羨ましく感じ、それでいて、妬ましくなく、ずっと眺めていられる、と思うのは
女性の漫画読みからは総すかんを喰らいそうだが、慶次と助右衛門が城壁に立ち、迫り来る敵兵らの前で、隆々とした逸物を出し、小便をかけるシーンこそ、この(2)で、私の中で特に印象的かつ二人の友情を象徴するものだ
慶次が凄いな、と感じる理由は、助右衛門を始めとする味方との友情だけじゃなく、敵対している男たちにも、その強さが響くとこだろう
この(2)で、助右衛門たちを追い詰めながらも、慶次の参戦で危機的な状況に陥った佐々成正は、自らの終わりを受け入れ、自刃しようとするのだが、慶次らに喝を入れられ、失いかけていた「いくさ人」としての炎を取り戻していた
これは、本当に強い男にしか出来ないものだ、と私は思っているが、皆様はどう感じられるだろうか
その強さ故に、男らしくない敵に命をしつこく狙われてしまっている事実は否定できないが、その状況すら楽しんでいるのだから、やはり、慶次は凄い男だ

この台詞を引用に選んだのは、生き方がこの年齢で確立しているのは、もう、カッコよすぎだ、と感じたので
自分にとって、どんな行動がカッコ悪い、つまり、自分を自分じゃないモノにしてしまうか、を知り、それを決して行わないように己を律して動くのは、並の男には出来ない事だ
慶次は死にたがりではない、決して。しかし、肉体的な死よりも、己の生き様を曲げる事を怖れるのだろう
その恐怖があるからこそ、慶次は、普通の人なら逃げ出したくなるような状況でも、グッと堪え、前に出ていき、窮地を引っ繰り返せるのかもしれない
人間、逃げても良い。しかし、逃げちゃいけない時だってある事を忘れちゃいけない
退く事も強さなら、退かずに立ち向かうのも、また、確かな強さだ
それが出来る人間の姿には、美しさがあるんじゃないだろうか
「ふ・・・さむらいなんて、そんな堅苦しいことじゃないんだ。生きる自由もあれば、死ぬ自由もあるさ。ただ、おれは、いくさ人。ここで退けば、おれではなくなる。おれには退くことは、美しくなく思えるだけさ」(by前田慶次)

2021年2月14日

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文句なしに、エロいいラブコメ
2コマ漫画は漫画じゃないって人もいるらしいが、こんだけ面白くて、人気があるってことをしめしているのだから、漫画の定義は、あえて無視して、名作と認めるべきだろう
何様だ、と言われるかもしれないが、よくもまぁ、こんな手法を思いついたものである、栖或先生
調子に乗っているヒロインが、何枚も上手の主人公によって仕返しされ、あられもない姿を晒す羽目になる
これだけでも十分、グッと来るのに、ヒロインがへこたれず、幾度も挑み続けてくれるもんだから、余計に、最高だ、と感じる
一漫画読みとしちゃ、この巻だけで終わってしまうのは、非常に残念
主人公がヒロイン・まゆりちゃんにかますお仕置きは勿論として、親友(?)の峰花ちゃんの容赦ないセクハラも好きだったので
もしもの話ではあるが、私が新しい成年誌を世に出す編集部のメンバーに選出されたなら、栖或先生に巻末のちょいエロ漫画を描いてくれませんか、と依頼に行く
私は、成年誌のレベルは、巻末のちょいエロ漫画で決まる、と思っているので
次回作がどんなものになるのか、それに対する期待は大きいが、ファンとしちゃ、ヒロインはまゆりちゃんみたいな自滅型になってほしい

この台詞を引用に選んだのは、特にまゆりちゃんの切羽詰まった感が出ているな、と感じたので
まぁ、彼女に非があるのは一目瞭然なので、罰は受けねばな
「嫌あああぁぁぁ!!嫌あああぁぁぁ!!」(byまゆりちゃん)

2021年2月7日

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Noise先生の漫画は至高だな
ファンとしては、Noise先生が一般誌でも描いてくれ、素直に嬉しい
やっぱり、と言っちゃ失礼だろうが、内容が結構、Hさ全開ってのが、Noise先生らしい
確かに、普段、LOでNoise先生の漫画を読んでいるファンからすると、若干の物足りなさはあるが、エロさは満ち溢れている
一般誌として、まだ、ギリギリって感じでもないので、(2)はもっと凄くなるんじゃないかな、と勝手に期待している
驚いたってのは違うが、Noise先生、おっぱいが大きいヒロインも描けたんだな、と意外さは覚えた。しかし、ファンとして、不快感はなかった、それだけは強く言っておきたい
Loで描いている作品を毎度、読ませてもらっているので知ってはいたが、一般誌だと、Noise先生のラブコメ力の高さを鮮明に感じられる
まぁ、ヒロインに見た目も中身もエゲつない悪霊が憑いていて、主人公と様々な手でくっつけようとしてくる点は、良い意味の突飛さがあって、自分の事を初めて知る漫画読みへのアピールは成功してるんじゃないだろうか
主人公・望がヘタレ、まぁ、こんだけおっかない悪霊ならビビっても仕方ないが、にしろ、大切な“友達”を守ろうと、正しい勇気を発揮できる強さを持っているので、京子ちゃんと、どう仲良くなっていくのか、楽しみ
この悪霊が、二人をくっつけようとしているのは、自身が甘酸っぱいラブコメを間近で楽しみたいからだろうが、どうして、こうもラブコメに執着するのか、その辺りも気になる。果たして、正体は何者なんだろうか

この台詞を引用に選んだのは、怖っ、と感じたので
京子ちゃんは、良い子であるのは間違いないだろうが、何気に嫉妬深い面もあったな
こういうギャップをヒロインに持たせるあたり、Noise先生らしい
そんな京子ちゃんと悪霊さんが並んで、圧をかけてくるってのは、想像しただけでブルっちまうなァ
「ほんとに妹がくれたの?」(by霧島京子ちゃん)

2021年1月31日

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はぁ、最高だ・・・うん、メチャクチャ控えめに言っても、最高。
ファンそれぞれの推し巻はあるだろうけど、もう、私にとって、この(13)がぶっちぎりに最高かつ最上の巻。神回ならぬ神巻である。
神回は、やはり、#288「自覚的ソウルフード」だ。中津唐揚げが美味しそう、それも理由だが、そこを凌駕するほどの衝撃があった。
私以外にも、「キターーーーー」と心の叫びが出そうになったファンが絶対にいる。今は、ハグやハイタッチが出来ないから、本気の肘タッチをしたい、同志と。
冗談抜きで、この(13)で、こもとも子先生は、私のタマを殺りに来ているんじゃないか、と確信し、まぁ、こもとも子先生の漫画に殺されるなら、それはそれでいい、と思いかけた。
実際は死んでいる場合じゃない。だって、ここから、更に、こもとも子先生の一撃が重くなりそうなのが明らかなのに、くたばっている場合じゃないでしょうに、ファンとして。
けど、ずっと待っていたんですよ、この展開を、私。ほんと、こもとも子先生、ありがとうございます。そして、今後ともよろしくお願いします。遠慮せず、私をトキメかせてください、磯貝さんと咲子さんの恋路で。
その点だけじゃなく、この(13)では、コロナ禍って状況に対しても、自分らしさを変えない登場人物らに、明日も頑張る元気を貰えた。こうやって、時代の流れを活かせるのは、こもとも子先生に確固たる実力があるからであり、(1)から応援してきた私としては、凄く誇らしい。
改めて、人間、毎日の食事に幸福を覚えられるなら大丈夫だな、と思えた。どんなにキツくても、〇〇が食べたい、と思える内は、まだ、生きる力が、その人の中に残っているはずだ。だから、皆さん、美味しいモノを、自分へのご褒美にして、今日も生きていきましょうや。
あと、やっぱり、まだ、青柳主任をメインにしたスピンオフが読みたくて仕方ないですねェ。磯貝さんが恋心を自覚したから、余計に、青柳主任にも恋のハリケーンが到来しないか、と期待しちゃう。

この台詞を引用に選んだのは、シンプルに破壊力大だったから。
火球の破裂音に負けないくらいの音が、私の心で轟いた。
もう、とっくに、ピュアさなんて喪失しちゃっているんだけど、磯貝さんの年齢の男性が、自分の恋心を自覚するシーンには、まだまだ、ドキドキできる。
おかしな言い方だけど、こう、若返った気がする。
まぁ、それはさておき、磯貝さんが、これから、どんな行動を起こすのか、楽しみ。
彼の片思いだけじゃなく、咲子さんも、磯貝さんが自分にとっての「特別な一人」になっている事は薄々と感じている様子。
時代錯誤だ、と言われそうだけど、個人的には、磯貝さんの方から、しっかりと、咲子さんに「好き」と伝えて欲しい。
けど、磯貝さんの性格を考えると、変に考え過ぎて、言うべきタイミングに言えず、咲子さんが、ズバッと「付き合って下さい」と言いそうな気もする。
もしくは、磯貝さんの自覚を察した青柳主任がお節介を焼くか、だな。
兎にも角にも、これから、『ごほうびごはん』が、もっと旨味を増していくのは間違いない。
(そういえば・・・池田さん、からあげが好物って言ってたけど、中津からあげは食ったことあるのかな・・・きっと、うまいって言うだろうな)
「食べさせてやりたいな・・・なんで、俺、そんなこと!!」
(そうか・・・俺は、あの人が好きなんだろうな)(by磯貝さん)

2021年1月24日

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言わずと知れた名作中の名作
歴史系を好んで読む漫画読みで、この『花の慶次‐雲のかなたに‐』を読んだことがない者がいたら、漫画読み失格だ、とすら思ってしまうほど
言うまでもなく、『北斗の拳』も名作で、世界に多くのファンがいる
ただ、一個人としては、この『花の慶次』の方が、ストーリー的には好み。また、日本史の勉強にもなるだろう
戦国時代だけあり、戦いで人が死んでいく描写は、かなり現実的ながらも、慶次の強さはとんでもない。説明が難しいほど、慶次の戦闘力は計り知れない。それに伴って、ちょっと(?)残忍なシーンが多いけど、この過激さがあってこそ、『花の慶次‐雲のかなたに‐』と言える
私的に、男を磨きたかったら、これを読むべき、これを読んでおけば大丈夫、と他の漫画読みに勧めたい漫画がいくつかあるが、この『花の慶次‐雲のかなたに‐』も、その一つ。ちなみに、他には、『からくりサーカス』や『ハチミツとクローバー』などがある
言うまでもなく、前田慶次は剛の者だ。しかし、単に腕っ節が強く、武勇に長けている訳じゃなく、心優しく、通すべき筋を大事に出来る。一言で言うなら、やはり、本物にして唯一の傾奇者、なんだろう
作中で、慶次は様々な表情を見せるが、読み手に強く印象を残すのは、やはり、「怒」じゃなかろうか。男や武士としての風上に置けぬ行為を働いた者に対して見せる憤怒の形相は、正に鬼神のそれだ
これまで何度か、私は『花の慶次‐雲のかなたに‐』を最後まで読んでいるが、毎回、グッと来る。それは、これが名作である証拠であると同時に、まだまだ、私が男として未熟であり、磨き方が足りない、と教えてくれている
改めて、男磨きをすべく、この【新装版】を買い、最終巻まで感想を書く、と決めた次第なので、最後までお付き合いしていただければ、幸いだ

この台詞を引用に選んだのは、ガッツーン、と来たので
最初に、この台詞に触れた時から、ずっと、衝撃が変わらない。ある意味、『花の慶次‐雲のかなたに‐』と前田慶次と言う雄の生き方をシンプルに纏めている名言だ
この名言に触れてから、私はむやみやたらに、「自由」って単語を使わなくなった
私は“自由”に生きられるほど強くない、と思っているからだ
自由って単語が好きで、外に向かって連呼するのは、それこそ、自由なので、私がどうこう言うつもりもない
ただ、軽々しく、自由と言える人は、自由に生きる怖さを知らないんだろうな、と思うだけだ
自由に生きているように見える人を羨ましく思う事もあるだろうが、その人はその人で、他人には計り知れないほどの苦労をしてきている事も感じ取らなければならない、自分がちゃんとした大人だ、と自称するならば
自由に己の人生を生きたいならば、次の瞬間にも死ぬかもしれない生き方を選ぶ覚悟をしなければいけない
ちょっと不自由に感じる生活の方が、普通の人にとっては良いのかも知れない
「慶次どのはいいなあ。好きなときに寝、好きなときに起き、好きなことだけをして死ぬんだ」
「そんなに自由に生きたかったら、乞食にでもなるさ。だが、その自由ものたれ死にの自由と背中あわせだがな」(by松田槙之助、前田慶次)

2021年1月17日

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2021年、最初のレビューは、これにする、と決めていた
だって、最の高。グッと来すぎて、胸が痛い
香月先生に代われる訳ないのは百も承知だけど、みもり先生に全力で、「ありがとうございます」と伝えたい
意見は人それぞれなのも、これまた、百も承知だが、(1)~(11)よりも、この(12)の凄味は桁違い。このクオリティでこそ、1stシーズンの最終巻だ
ただただ、子供たちが真っすぐで、強くて、カッコよくて、涙が止まらなくなる
友と世界の為に、体を張り、命を懸け、魂を奮い立たせるてつし達の姿にも、胸はガヅンッと打たれるんだけども、彼らが死地に向かうのが察せても、幼い身に宿した、大人以上の覚悟を尊重して止めず、必死に無事な帰還を願い、そして、力強い抱擁で迎えた家族らの愛も、また、涙腺を容赦なくぶっ叩き、壊そうとしてくる
両者の姿は、冗談抜きで、みもり先生だからこそ描けたものだ、そう、ファンとして断言できる
改めて言う事でもないけど、人ならざる者のデザインが、みもりイズムを感じさせる。死神ギー、地獄の犬・バーゲストもグッと来るが、それ以上に、ルシフェルの美しさと言ったら、もう、形容しがたい。それこそ、『女神転生』や『ペルソナ』シリーズのルシフェルに匹敵している
死神ギーとの戦いは、このシリーズだけでなく、冗談抜きに、少年漫画誌に残る熱戦だ。それまで、己こそ最強だ、と思い上がっていた死神ギーが恐怖に追い詰められ、為す術もなく戦闘不能になる様は、実にスカッとした
原作を読んでいる人なら知っているが、ストーリーの展開や台詞が、かなりシビアだ。無慈悲な事が起こり、容赦ないコトをズバッと言ってくる。だからこそ、その理不尽に屈さず、自分達の全力を尽くして立ち向かうてつしらのカッコ良さが引き立っている
これで、1stシーズンは終幕だが、2ndシーズンは、更に面白くなっている、それをファンは知っている。みもり先生には、体調に気を付けて貰いながら、この(12)以上を求める私らと思いっきり、殴り合って欲しい

この台詞を引用に選んだのは、どストレートにカッコいいので
私が、この『地獄堂霊界通信』で最も推しているキャラは、椎名だ
なので、椎名が活躍するシーンは、かなりテンションが上がる
ただ、「好き」って気持ちと、「カッコいい」って印象は別物だ
椎名、リョーチン、流華、カンナ、ユキ、全員、カッコよかった
しかし、この台詞を、痛み、恐怖、絶望を、正しき怒りで燃やし、巨悪に向かって言い放った時のてつしは、それ以上にカッコよかった
人間の底力が、どれほど凄まじいか、それを示すのに、年齢は関係ない
てつしを含め、全員がここまで命を懸けたからこそ、ありえない奇跡は起きた
やはり、奇跡ってのは、何が何でも諦めない人間にしか起こせないようだ
きっと、ゴールデン・アイズは、てつしが、ここまで見事な啖呵を切ったからこそ、ほんの少しだけ、手を貸してくれたんだろうなァ
ほんと、ゴールデン・アイズは、どこの誰なのやら
「クソ・・・ッ いつの間に、こんな・・・イテェ・・・身体中、全部・・・!! みんなも、もう、ボロボロだ・・・! でも、負けねぇぞ!! 俺らの結界は、まだ壊れてねぇんだ! てめぇなんかに負けるか!!! 死神!!」(by金森てつし)

2021年1月10日

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この『ヤンキー君と白杖ガール』、それに、うおやま先生の変化の度合いと、成長速度には瞠目してしまいます
自慢のように聞こえてしまうかもしれませんが、(1)を読んだ時点で、この漫画は確実に、大勢の漫画読みから「良い漫画」と認知される、と確信していましたが、ここまで化けるとは思いもよりませんでした
私の、漫画の良さを見抜く眼力も、まだまだ、と教えてくれたことに感謝です
この(4)も、ストーリーが中々にリアルで、軽くはありませんでした。しかし、そこがいいんですよ。この厚みが、私を満足させてくれます
今回の見どころは、ヒロイン・ユキコはアルバイトに挑戦しているトコじゃないでしょうか
ネタバレになってしまうので、多くは書けませんが、当然、簡単にはいきませんわ。しかし、だからこそ、その壁をユキコが自分独りだけじゃなく、森生を始めとした誰かの手を借りて乗り越え、一歩ずつ前に進んでいく姿に目頭が熱くなりました
障害者は就職するのが難しい、だけが、この(4)でうおやま先生が言いたい事じゃないな、と私は感じます。ぶっちゃけた話、健常者だって、今のご時世、楽に職に就ける訳じゃないですからねェ
働いている奴がエラい、と言う訳じゃないですけど、自分のやりたい事を自分でちゃんと探して、自分に出来る事を考えて、自分に出来ない事を、どうやったら出来るようになるか、を試行錯誤して、結果を出し、働ける歓びを噛み締められる人間を、私はリスペクトできます
月並みな言い方なんですが、働きたい、なら、人=自分から積極かつ能動的に動くしかなく、なおかつ、人=大切な誰かの為に動くべきなんでしょうね
もちろん、この作品はラブコメなので、恋愛方面も、結構な動きがありましたので、今後が楽しみです。しっかし、森生とユキコは、ウブいですなぁ。そこが可愛いんですけど、これ以上の事をしようとなったら、どうなっちまうのやら

この台詞を引用に選んだのは、森生のカッコよさと、人間的な成長を感じ取れるものなので
言うまでもありませんけど、森生の男らしさを磨き、ここまで輝かせたのは、ユキコたちです。特に、ユキコの存在は大きいでしょう、絶対に!!
人は人と関わるからこそ、変化します。良い変化をすれば、悪い変わり方をしてしまう事もあります。それでこそ、人間じゃないでしょうか
ヤンキーだった、まぁ、今でも、かなりヤンキーですが、森生はあれ以上、人としての道を踏み外していません。それは、ユキコたちと出逢えたからに他なりません
人は独りでも生きていける、と信じ、そうしようとしている人の生き方を否定する気はありません
ただ、そういう人に読んで欲しくて、なおかつ、この台詞に触れてもらいたいです、私は
何か変わるべきだ、とは思っちゃいません
それでも、世界の多面性と多様性を信じて、ほんの少しで良いから、自分に差し伸べられている手、指でも良いから握り返してみて欲しいんです
誰かに救われ、それに感謝できて、「よし、頑張るぞ」って気合が入る人間なら、他の人も救えるんじゃないかな、と私は信じたいので
ぶっちゃけた話、私に、人間はまだまだ、腐っちゃいないな、世界はこのまま、終わるべきじゃないな、と思わせてもらいたいのですよ
「ユキコさんに会う前の俺は、自分みてーな『フツウ』に生まれなかった人間は、社会に弾かれたってアタリマエって思ってた。だけど、ユキコさんと出会って、まだ、俺の知らねー世界が、たくさんあるって教えられた。99人に疎まれた顔のキズも、『愛しい』って言ってくれる世界もあるって知った。体が不自由とか、病気とか、キズがあるってことで、そいつが内側に持つ世界は測れねぇって知った。世界が一面しかないって思い込んでたら、俺は救われないままだった。この世界は多面だから、今、常識になってるってことが...

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2020年12月27日

ネタバレ

これは、良い漫画。どこがどう良いのか、と言うと、良い意味で「普通」なトコ
それは、褒めているのか、他の漫画読みに良い漫画としてお勧めする気があるのか、と聞き返されそうだが、この『サラウンド』を読了している方なら、「ん、まぁ、理解はできる」と言ってくれないかな、と期待している
正直なとこ、男子高校生3人が、しょうもなくて、深さがあまりなくて、でも、アオハル感のある話題でダベって、笑い合い、仲良くしている内容を、私は、良い意味で「普通」、としか褒められない
BLを読みたい人からすると、この『サラウンド』は物足りないかもしれないが、このくらいが、私には丁度、いい塩梅だ
気が早い、まだ続くから、とツッコまれそうだが、この三人組は十年後も、進んだ道や立ち位置が変わっても、事ある毎に集まり、こうやって、談笑していそうだ。自然と、酒を飲みながら、和気藹々としている風景を浮かばせるのが、これまた、紺津先生の凄いトコじゃなかろうか
私の推しキャラは、山口くん。背の高さも含め、なんか、存在感が凄い。どっしりとしているように見えて、意外に初心で、考えている事が何気に読みやすい。肉体的だけでなく、精神的にも伸びしろがありそう、と感じさせてくれるトコに、好感が持てる
このままでも、私としちゃ十分に満足なのだが、高校生が主役の作品では、恋愛も外せないのが、これまた、お約束
ちょいちょい、女子キャラも登場するので、彼女との絡みも今後、増えていくと嬉しいな、と淡い期待はしている
なので、紺津先生、(2)では山口くんと澤井ちゃんの仲を、ほんと、ちょっとでも良いんで、甘酸っぱい方向に進展させてください。軽薄な輩に、澤井ちゃんが絡まれ、困っているトコを、山口くんがビビりながらも助ける、なんて最高じゃないっすかね!!
あと、話と話の間に、質の高い四コマ漫画を入れてくれるのは、かなり嬉しい。(2)では、丸々、四コマ漫画だけの回があっても嬉しいなァ

この台詞を引用に選んだのは、田島のクセに、なかなか、良い事を言うじゃないか、と驚いたので(←いや、失礼)
意見は色々とあるだろうが、高校生のうちに、アルバイトはしておくべきだ、と私は思っている
高校生がやっちゃアウト以外のアルバイト内容なら、積極的にチャンレンジしてみるといい
そういう経験があると、社会人になってから、それはある程度の強みになる
勤労意識に対する基礎が出来ているから、仕事のキツさに対して、それなりの折り合いが付けられるようになるし、部下を使う立場になった時にも指導がしやすいし、アドバイスに説得力が宿るんじゃないだろうか
山口くんに合いそうなアルバイトは、やっぱり、土木関係か、配達系だろう
彼の性格だと、接客は厳しそう。でも、だからこそ、挑戦すべきかもしれん
「ちょっとの時間我慢して、好きに使える金が多少あんのも、結構、楽しいよ」(by田島浩太)

2020年12月20日

ネタバレ
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