何度も目をつぶった一冊。
息子は殺人犯か被害者か…苦しかった。
夫の心情、妻の心情、誰の心情もが丁寧に描かれていて、その度に目をつぶり心を重ね合わせ、振り子のように心が揺れる時間を味わった。
夫婦で食い違う意見、心の収まりどころを必死に探そうともがく姿、信じようとすればするほど勝手に拡がる不安は何度も胸を打つ。
そんな夫婦に対する義母の言葉が印象的。
柔らかな緩衝材のように心に残る。
終盤は何度も目をつぶって鼓動を抑え、言葉をゆっくり追う。
加害者、被害者、何をどちらを…これほど頭に心に渦巻きこびりつく小説は初めて。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2020年9月10日
- 読了日 : 2020年9月10日
- 本棚登録日 : 2020年9月10日
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