望み (角川文庫)

  • KADOKAWA (2019年4月24日発売)
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本棚登録 : 4269
感想 : 354
4

何度も目をつぶった一冊。

息子は殺人犯か被害者か…苦しかった。

夫の心情、妻の心情、誰の心情もが丁寧に描かれていて、その度に目をつぶり心を重ね合わせ、振り子のように心が揺れる時間を味わった。

夫婦で食い違う意見、心の収まりどころを必死に探そうともがく姿、信じようとすればするほど勝手に拡がる不安は何度も胸を打つ。

そんな夫婦に対する義母の言葉が印象的。

柔らかな緩衝材のように心に残る。

終盤は何度も目をつぶって鼓動を抑え、言葉をゆっくり追う。

加害者、被害者、何をどちらを…これほど頭に心に渦巻きこびりつく小説は初めて。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年9月10日
読了日 : 2020年9月10日
本棚登録日 : 2020年9月10日

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