人質の朗読会 (中公文庫 お 51-6)

著者 :
  • 中央公論新社 (2014年2月22日発売)
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感想 : 306
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静かな始まりと静かな時間、静かな終わりに身を委ねた。派手さもない、ほんのささやかな語りはそれぞれの人生というしずくの中のほんのひとしずく。
そのひとしずくを大切にびんに集めたくなる感覚で全員の語りに耳を傾ける。そしてその人たちにとって真っ先に浮かぶ大切なかけがえのないひとしずくの物語は確実に自分の胸に沁み渡り刻まれていった。
読後、まず心に浮かんだのは道端にひそやかに咲く花。
時に名も知らぬ花もある。でも必ず名があり、凛と咲く花たち。静かに大切に眺めたくなった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2019年1月9日
読了日 : 2019年1月9日
本棚登録日 : 2019年1月9日

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