ダブル・ジョーカー (角川文庫)

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本棚登録 : 3188
レビュー : 363
著者 :
kwosaさん ミステリ(国内)   読み終わった 

タロットカード『魔術師』のアルカナには、強い意志、緻密な計画性、機知、適応能力、手腕、外交、策略などの意味があるらしい。
魔王・結城中佐の現役当時のコードネームが『魔術師』であったことは決して偶然ではないだろう。

登場は僅かであっても圧倒的な存在感を醸す『D機関』のボス、結城中佐。彼の伝説のスパイ時代と、一瞬垣間見える情を描く『柩』のエピソードが良かった。

諜報活動の真の成功とはスパイの存在を認知させないことにある。
その意味において、スパイ組織『D機関』の面々を主人公に据えながらも人物を直接に描くのではなく、背景を塗り、輪郭を丁寧に縁取っていくことによって実像が浮かび上がってくる構成が多いのが、このシリーズの面白いところだ。

シリーズファンとしては、超人的な集団なので窮地に陥っても必ずや成功するであろうという安心感や慣れが出てくる。しかし、その限りではない。「死ぬな、殺すな」がモットーの組織であっても失敗は死を意味する。

単行本未収録の『眠る男』は、前作『ジョーカー・ゲーム』を読んだ人ならニヤリとするはず。

レビュー投稿日
2012年7月7日
読了日
2012年7月6日
本棚登録日
2012年7月6日
4
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『ダブル・ジョーカー (角川文庫)』のレビューへのコメント

まっきーさん (2013年2月10日)

こんにちは。
フォローありがとうございます。

「柩」重厚でしびれるお話でしたね。
私もこの巻の中で一番印象に残っています。

単行本未収録の『眠る男』が文庫には掲載されているんですか?
気になり過ぎます。。。文庫買おうかな。

パラダイスロストがちょっとほんわかしていた分、
早く続きが読みたいですね。

これから、どうぞよろしくお願いします。


kwosaさん (2013年2月11日)

まっき~♪さん

コメントありがとうございます。

『柩』は非情であることを恒とするスパイの切なくしびれる話でしたよね。

『眠る男』は文庫版のみのボーナストラックといった感じで、本当に短い話です。
これだけのために文庫買うのもどうかな、と思いつつも、やっぱりニヤニヤしたいですよね。

『パラダイスロスト』は文庫化まで待つつもりで未読なのですが、読みたくなってきました。
ほんわかしてるんですか!? 気になります。

こちらこそ、どうぞよろしくお願いします。 

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