クドリャフカの順番 (角川文庫)

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本棚登録 : 6967
レビュー : 630
著者 :
kwosaさん ミステリ(国内)   読み終わった 

誤発注により過剰在庫となった文集をいかに売りさばくかという期限付きミッション。漫研でのスリリングな舌戦。駆け引きが最高に熱いお料理バトル。文科系部活動の祭典がこんなにもエキサイティングだなんて。

『氷菓』『愚者のエンドロール』で語られてきた神山高校文化祭『カンヤ祭』がついに開幕。文化祭特有の熱気と狂騒が、奉太郎、える、里志、摩耶花、それぞれの視点で語られていきます。四人のキャラクターの書き分けが非常にうまく、視点が切り替わることにより一つの事象にも違った側面が見えてくるのが面白いところ。なによりいままで脇にまわりがちだった里志と摩耶花が活躍し、二人の内面が語られるのもシリーズファンとしては嬉しいです。

でも半分くらいまで一気に読んで「あれ? これってただの学園物だったっけ?」なんて思った方も御心配なく。すでに事件は起き、伏線は大量にばらまかれています。学園祭のあらゆることがラストに向かって収束して行く様は見事だし楽しいですね。コンゲーム的な展開があったり、いままでに無い仕掛けも盛りだくさんで飽きさせません。
個人的には『わらしべプロトコル』と、ある人物の『人心掌握講座』がツボでした。

今作は過去の作品に登場したキャラクターやアイテム、エピソードなどの小ネタが多数あり『古典部』シリーズにとってもまさに『祭』感があります。なので単品でも楽しめますが、できれば『氷菓』『愚者のエンドロール』を読んでおくことをお勧めします。

それにしても米澤さんは、女子の集団の『嫌ぁ〜な』感じを描くのがうまいなぁ。

レビュー投稿日
2012年7月19日
読了日
2012年7月7日
本棚登録日
2012年7月7日
4
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『クドリャフカの順番 (角川文庫)』のレビューへのコメント

峨眉書房さん (2014年1月19日)

紹介してもらった旅のラゴス読みました。

せっかくの人生をどうやって生きるか、どれだけ濃密な生き方をするかを主張する作品は沢山ありますが、ラゴスは生きている内に出来ることなんてたかがしれている、個人の歴史なんて、長い歴史からみればちっぽけなもの、だからこそ自由に生きたいという、今までとは違う視点を私に示してくれた気がします。

ラストも好きでした。今の居場所に固執することの無いラゴスに心打たれました。一枚の絵を観て氷の女王に会いに行こうと思える心の自由さ。読み終わった後余韻が残りました。

良い作品に出会えて良かったです。ありがとうございました。

氷菓はアニメで観て好きだったので読んでみたいです。レビューを読んだところアニメには無い良さが伝わってきました。

今年もお互い良い読書ができますように。。

kwosaさん (2014年1月31日)

峨眉書房さん

お久しぶりです。
コメントありがとうございます。

『旅のラゴス』読んでくださって嬉しいです。
そしてなにより、こうやって感想を寄せてくださることがありがたいです。

本当にラゴスの生き方、たたずまいに心打たれます。
そして作品世界の外的にも内面的にも壮大なスケールに読了後、放心してしまいます。
忘れられないこの作品の余韻を誰かと共有できることは、何物にも代え難い悦びです。
しばらく本が読めなくなっていた自分にとって「ああ読書をしていて良かった」と再び思うことができた嬉しいサプライズです。
こちらこそありがとうございました。

アニメ『氷菓』は、本で既読のエピソードまでは観ました。
ミステリ部分をうまく映像で表現していて、キャラクターや世界観も丁寧に作り込んであって面白かったですね。
未読の原作もはやく読んで、アニメの続きも観てみたいです。

>今年もお互い良い読書ができますように。。

心のこもったありがたいお言葉です。
この言葉に励まされて、また少しずつ本を読み始めました。
今年もよろしくお願いします。

峨眉書房さん (2014年2月13日)

お返事ありがとうございました。

先日旅行に行ってきたのですが(旅行する時は本を一冊持って行くのが好きです)この本を選ばさせてもらいました。

まだ全て読めてないのですが、この巻は福部里志と伊原摩耶花のそれぞれ抱える葛藤が伝わってきて、この2人のキャラクターは自分の好きな感じです。アニメはかなり忠実ですね、その部分にも感動しました。

読書から遠のく時期ってありますよね、私も全く読まない時期ってあります。私は、そういう時は映画や漫画やアニメです・・

でもそいう時期が続くと、またどっぷり本の世界に嵌りたくなるから不思議です。活字だけにしか、得られない世界がある気がします。

以前、007のダニエル・クレイグは良いとおっしゃていましたが、私もスカイフォールを観て、とてもそう思いました!アデルの主題歌と映画の相性も素晴らしかったし、Mとボンド、それぞれの闇の部分、自分の信じているものへの曲げない強さ、良い映画でした。

本では、この前京都のブックカフェで見付けた、松家 仁之の「火山のふもとで」が気に入ってます。とても静謐なストーリーで、静かな時間に読むのにぴったりです。まだ読破できてないので、又お茶を飲みながら、読むのを楽しみにしています。

kwosaさんも残り寒い冬、楽しい読書時間ができますように!

又お手紙(?)書きにkwosaさんの本棚に遊びに来させてもらいます。。

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