ビブリア古書堂の事件手帖 ~栞子さんと奇妙な客人たち~ (メディアワークス文庫)

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本棚登録 : 20720
レビュー : 3133
著者 :
制作 : 越島 はぐ 
kwosaさん ミステリ(国内)   読み終わった 

梶山季之のアノ本を読んだ時、ブクログ仲間さん達の話題に上っていたので気にはなっていた。でもライトノベルっぽい装幀と、ちょっとブームに乗り遅れた感もあって手を出しそびれていた。
今回のテレビドラマ化と書店の大量平積みのダメ押しに乗じて、ようやく購入。
正直なところ少し甘く見ていた。
三上延さん、すみません。とっても面白かったです。

東西2軒のブックオフを直線で結んだ中間地点に我が家はある。
自転車でぷらりと行けるその範囲内には、それとは別に古本屋が3軒ある。
品のいい老夫婦が営む、時代小説と文芸書が中心の昔ながらの店。
松本零士か水木しげるの漫画に出てきそうなオヤジがいる、SFやらミステリやら特撮関係の謎の本が大量にある魔窟のような店。
新進の若い店主が開いた、外国の絵本や昔の婦人雑誌などが綺麗にレイアウトされている洒落た店。
ジャンルは被らずうまく棲み分けはできているようだが、もしかしたら業界にも暗黙の了解とか仁義があるのかもしれない。
三ヶ月に一度は近所の神社で蚤の市が開かれ、古書の露店も出る。
そして毎年秋口には表通りで素人参加の古本市も催される。

百円、二百円で掘り出し物を探し当てては部屋の隅の椅子にぽんと置いていた。それはいつしか背もたれを越え、脚の内側に置いていた本も溢れ出し、椅子を骨組みとした蟻塚のようになってしまった。部屋を掃除しても、なぜだかその蟻塚だけは崩すことができない。
僕は読書以上に「本」そのものが好きなのかもしれない。
北鎌倉の、栞子さんの営む『ビブリア古書堂』は本好きにとっては夢のような場所だ。そんな店があれば是非行ってみたい。

本には人の様々な思いが詰まっている。
しかし思いも強すぎれば狂気となる。
そして本と人の縁はどこかで必ず巡ってくる。そんな話。

古書の蘊蓄とそれにリンクした謎解きと人間ドラマが楽しい。
栞子さんの「ベッド・ディテクティブ」ぶりに唸る。
意外なところに張られた伏線と話の運び方や各短篇のラストの「引き」の演出の巧さ。小道具の使い方やミスリードも憎い。
もっと早く読んでおけば良かった。
さっそく2巻を買ってきてしまった。

レビュー投稿日
2013年1月13日
読了日
2013年1月13日
本棚登録日
2013年1月13日
10
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『ビブリア古書堂の事件手帖 ~栞子さんと奇妙な客人たち~ (メディアワークス文庫)』のレビューへのコメント

まろんさん (2013年1月13日)

kwosaさん、こんにちは!

本好きには抗えない魅力たっぷりの本ですよね。
表紙の栞子さんにクラクラッとして衝動買いする人もいれば
読書家のkwosaさんのように表紙がどうにも居心地悪くて
なかなか手に取れない方もいらしたりして
ライトノベルと小説一般の線引きが難しくなってきたこの頃は
出版社は、本の装幀にも頭を悩ませているのだろうな、と思います。

それにしても、古書店の森の中に棲んでいるようなkwosaさん、
なんて素敵な環境なんでしょう!
赤毛のアンは、夢の家の一角には小川が流れていてほしい、と言っていましたが
歩いていける範囲に図書館と本屋さんと古書店が
せめて1軒ずつあれば、文句なしに夢の家だわ♪と思う私は
うらやましくてたまりません(*'-')フフ♪

kwosaさん (2013年1月14日)

まろんさん! 
コメントありがとうございます!

やっぱり食わず嫌いは良くないですね。
結構ライトなイメージを持っていたのですが、なかなかどうして読み応えのあるしっかりしたミステリで驚きました。
各話のテーマになっている古書以外にも魅力的な本がたくさん登場して、全て読みたくなってしまいます。
試しにAmazonで検索してみたら、どれも中古価格が高騰していてびっくり。
こういう絶版本に関しては電子書籍も悪くないかも......と、古書好きの僕もさすがに思ってしまいました。

ありがたいことに新刊書店も図書館も家から近く、本好きとしては恵まれた環境に住むことができています。
程よく便利で程よく人情もある街で気に入っていますが、積ん読の蟻塚は大きくなるばかり。これは贅沢な悩みですね。

円軌道の外さん (2013年1月19日)


お久しぶりです!

あはは(笑)
そうなんスよね〜
やっぱ実際読んでから
判断しなきゃダメっスよね〜小説は(^_^;)


自分も軽い携帯小説に毛が生えたものだろうと
ナメてたら

いやぁ〜面白い!(笑)


キャラもみんな立ってるし
伏線回収も見事やし、
何より紹介された名作本を
必ず読んでみたくなるんですよね(笑)


読書離れが進む中
この本が架け橋となって
若い人たちにも
物語の魅力を知ってもらえたらなぁ〜って思います(^_^)v



あとあと、kwosaさんに紹介してもらった
『アルバトロスは羽ばたかない』読んで
七河さんにハマりました!(>_<)

ホンマ感謝してます(笑)

kwosaさんのレビュー読まなけりゃ
こんなに早く手にとることは
なかったと思うし(笑)
(二作目から読んでしまったけど汗)



ブクログばんざ〜い!!!


kwosaさん (2013年1月19日)

円軌道の外さん!
お久しぶりです! お待ちしておりました!

>ブクログばんざ〜い!!!
同感です。

ブクログがなければ出会うことがなかった本はたくさんありますし、この『ビブリア古書堂』シリーズも手を出すには至らなかったかもしれません。

読書って他のレジャーに比べたら、なんて安価な娯楽なんでしょう。コストパフォーマンス良過ぎです。

って、思っていたら『ビブリア』で紹介されている名作本の古書価格にびっくり。手が届かないと思うと読みたくなる。うーん、古書の世界の深淵を覗くのが怖い......

円軌道の外さん (2013年1月28日)


あはは(笑)
確かにそうですよね(^O^)

映画だって1800でしょ〜

CD一枚3000円やし、

芝居やライブだって
安くても
3000円から5000円はするし、

ランチだって今
なんやかんや付けたら1000円なんてすぐ越えちゃうし(笑)、
それ考えたら
安い文庫本なら
名作であっても
ワンコインで
トリップできますもんね(笑)(^_^)v


しかも何度も読めるし、
自分のペースで味わえるし、
どこへだって持っていけるし、

いい作品は
自分を支えてくれたり、
人生観だって変えてくれる。


なんでみんな
もっともっと本を読まないんやろって
声を大にして
言いたいですもん(笑)


ネットがなかった昔は
読書好きって
ただ暗いって思われてて、

なかなか本が好きな友達を見つけることも
難しかったんですよね(^_^;)


それ考えたら
ホンマこういう
ブクログのようなコミュニティーができるなんて、
大袈裟やなく
夢みたいですもん(笑)

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