屍者の帝国

  • 河出書房新社 (2012年8月24日発売)
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本棚登録 : 3388
感想 : 441

映画公開までになんとしても読み終えたかったのですが結局間に合わず、200Pほど読んだ状態で映画を観、再び原作を頭から読み直すという工程を踏みました。
映画はかなり大胆な改変がなされているので、どちらに先に触れるかで印象はかなり異なってくるのではないかと思います。
個人的には映画の長さ・設定の方が気に入ったので、原作はやや冗長に感じられました(映画は設定を削ぎすぎて、やや話に矛盾があった気もするのですが)。旅の描写が長すぎて、やや話が中だるみしているように思います。
夭逝した伊藤計劃の本を円城塔が書き継ぐといった話なのですが、実際に伊藤氏が書いている部分はプロローグのみで、残りは全て円城氏が書いているので(仮に伊藤氏の残したプロットなどがなかった場合)、実質ほぼ円城作品なのだと思います。最初の方の文体こそおとなしめだったものの、最後の方では完全に円城節全開といった感じで、やはり理解するのに労力を要しました。
しかし今までの円城作品とはやはり一線を画していて、かなりエンタメ色の強い作品になっています。文学作品の登場人物や、実際の史実の人物などが登場するのはなかなか面白みがありました。
ただやっぱり、ちょっと長いかなぁ…。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2016年1月8日
読了日 : 2016年1月6日
本棚登録日 : 2016年1月6日

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