先任将校―軍艦名取短艇隊帰投せり (光人社NF文庫)

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  • 光人社 (2009年7月1日発売)
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感想 : 6
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・フィリピン沖で沈没した戦艦名取の乗組員200名弱が、3艘の短艇で300マイル先のフィリピン海岸まで2週間かけてたどり着いた。
・絶望的な状況の中、青年将校の見せる統率力は美いと思えるほど。今の社会にこんな力のある20代がいるだろうか。
・今の幹部自衛官達も、当時の将校のような自覚と責任、統率力を持っているのかなぁ。当時は将校に対して世間も完璧に理解をしていただろうけど、今は自衛官に対してそうじゃないよね。そう考えると同じものを求めるのは酷なのかも。
・短艇上で航海士が見せる知識は素晴らしい。漂流する時の備えが少し出来たよ。
・数名の士官で200人近い兵卒を相手に、良く反乱が起きなかったもんだ。統率力と信頼が完璧にバランスした一例。
・しかし良くたどり着いたな。2週間漕ぎっぱなしですよ。乾パン1日2枚ですよ。
・著者の連想も楽しい。ポリネシア民族を思ってみたり、故郷の山や川を思ってみたり。このあたりの愉快と思える位の柔軟性は凄い。
・天文航海法に興味を持った。かなりの事が天体と地球の相対運動で割り出せるんだな。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2008年4月25日
読了日 : 2008年4月25日
本棚登録日 : 2008年4月25日

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