人口論 (中公文庫 D 5)

  • 中央公論新社
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122000339

感想・レビュー・書評

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  • 「人口は、制限されなければ、等比数列的に増大する。生活資料〔=食料〕は、等差数列的にしか増大しない」(p.23)。

    これだけおさえれば全部読む必要はない。

  • 「人口は幾何級数的に増加し、資源は算術級数的にしか増加しない」高い出生率が継続する場合人口は複利的に増えていくが、資源や食料はそれには比例せず積算的にしか増加しない。あらゆるテクノロジーが劇的に進化した現代ではピンとこない部分もあるが、世界人口が80億を突破し今後も増加していく中、将来食料不足が見込まれてくる際には改めて見直されることになろう。有効な人口増加制限策が議論されることもあるかもしれない。
    中盤より楽観的理想主義者ゴドウィン氏への批判が延々と続く。西洋の懐疑的知性ここに極まれり。批判や疑問から重要な見識が生まれることはよく分かる。返す刀でアダム・スミス大先生も攻撃。
    ま、それはよいとして、近代のテクノロジーの飛躍的な進歩や世界的供給網はさすがに予見されてはおらず、現在の常識からすると多少的外れな印象も残すが、それによってこの古典の価値を落とすものではない。後世の今からすると当たり前のように見えることも当時の論戦を作り上げてきた先見的な見識だったわけだ。
    最後の2章は全然頭に入ってこなかった...

  • 生きるための古典

  • マルサス 「 人口論 」人口を食糧との関係から見た本。さすがに現代の人口統計学は こんな単純には考えないと 最初は思ったが、「人口は食糧までしか増えない」という命題は 現代の人口減少時代に どう解釈されるのか、人口学や人口統計学の見解を知りたい


    人口の特徴
    *生活資料の水準の範囲内までしか増えない
    *生活資料を生産する能力より 人口を増やす力は大きい
    *生活資料は 等差数列的にしか増えないが、人口は 等比数列的に増える
    *生存手段のあるところでは 人口は増加する
    *不幸(食料不足など)や悪徳(戦争)がないところでは 人口は増加する

    「飢饉が〜人口を世界の食糧と同水準にする」

  • 有名な本だが冗長な内容。

  •  
    ── マルサス/永井 義雄・訳《人口論 19730910 中公文庫》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4122000335
     
     Malthus, Thomas Robert 17660214 England 18341223 68 /
    …… 人口は幾何級数的に増加し、資源は算術級数的にしか増加しない。
     
    (20141231)
       

  • 現在、地球上には65億もの人々が暮らしています。
    このペースのまま人口が増えると、2050年には100億人に達するだろうと予測されています。
    はたして食料が足りるのか、心配になってしまいますね。
    マルサスは、人口は放っておくと元の数の2倍、4倍、8倍とかけ算式に増えていくのに、食糧はいくら努力しても2倍、3倍、4倍と足し算式にしか増えていかない、といいました。
    しかし、現実には食糧不足は起こりません。
    なぜでしょうか。それは「貧困や悪徳」によって人口増加が抑制されているからです。
    つまり、いまより貧しくなりたくない人は子どもを作らなくなるので、自然と均衡が保たれる、というわけです。
    人類社会にとって貧困は不可欠、ということですが、これはなかなか容認し難い結論です。
    とはいえ、仮に貧困を根絶してしまえば、かえって全人類の存続を危うくしてしまうのかもしれません。
    人口と貧困のこのアンビバレントな関係を説くところに、この本の魅力があるといえるでしょう。

  • 人口問題は,波動的に再帰する。
    その都度、マルサスの見直しが行われる。
    BRICSと言われるブラジル、ロシア、中国、インドにおいて,人口問題がいかに経済に影響を与えているかを考える際に読むとよい。

    経済学では,その理論の前提としている制約条件について明示的な記載をしていない場合がある。記述から類推して,定式化してみるのもよいだろう。

    ズュースミルヒの「神の秩序」 (統計学古典選集 復刻版〈第3巻 大原社会問題研究所編〉)のような、
    当時の人口論の状況を知らないと、マルサスの論点の近代的なところが理解できないかもしれない。

    社会的な論説は、後代になると、当たり前のことしか言っていないように感じることがある。
    当たり前のことしか言っていないように感じる場合は、その論説が、当時には鋭いものであったと仮定するとよいだろう。

    前後の理論を読めば、マルサスの論点が明確なことが分かる。

  • この本は、「食料供給は等差級数的に増加するが、人口増加は等比級数的に増大する。」として有名な著作であり、実際戦後ずっとカロリー計算では人口増加に追いつくだけの食料供給は存在したので、間違いだとよく云われる。

    しかし人口論はそれにとどまらない。当時の救貧法に関する批判(生活必需品の値段が高騰する)や、刑罰に関する論評など、多岐に及ぶ。

    この本は、経済学と云うより哲学や社会学に近い本であるとも思える。とはいえ、かなり複雑であり読むのには苦労した。

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著者プロフィール

トマス・ロバート・マルサス。一七六六年イギリス生まれ。古典派経済学者。ケンブリッジ大学ジーザス・カレッジを卒業後、同カレッジのフェローなどを経て牧師に。九八年に『人口論』初版を匿名で発表。第二版より著者名を明記し、以後、一八二六年の第六版まで改訂を重ねる。〇五年に東インド・カレッジの歴史学および経済学の教授に就任。他の著書に『経済学原理』『価値尺度論』『経済学における諸定義』など。一八三四年、没。

「2019年 『人口論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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