イノベーションのジレンマ: 技術革新が巨大企業を滅ぼすとき

  • 翔泳社 (2000年2月1日発売)
4.01
  • (32)
  • (33)
  • (27)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 335
感想 : 31
5

・優良企業と崇め立てられた新興企業が更なる新技術が現れた際に、かつて自分達を勝利に導いてくれた新技術への取組に失敗し、マーケットトップの座を新企業に奪われてしまう現象がある。・これらに対して、大企業病、技術的な問題などが失敗に対する理由づけとして多く語れてきた。・が、実際には顧客の需要に耳を傾け、必要ならば新技術を猛スピードで開発できる企業さえも失敗している。・では、なぜそれらの企業が失敗したかと言うと、企業は大きくなればなるほど「既存商圏内」の顧客の声に耳を傾け、技術革新を推進していくことが確実に儲かる手段であるためである。・大企業が新興企業の破壊的な新技術に完敗してしまうのは、?新技術が既存客が商品に求めるプライオリティーと異なるため、?新しいマーケットを探し生み出さなければならないため、?新技術のマーケットが予測不可能なためリスクが高く、?利益率が既存ビジネスより低く、売上額も小額に留まるためである。・既存客に向けての開発の方が、予測可能で確実に儲けがでるため、社員(もしくは会社)は確実に売上、利益の上がる分野にリソースを配分し、予測不能な分野に対して力を入れることができない。・新技術を新しいビジネスとして成功させるためには、?市場の反応を見ながら商品開発ができる柔軟な計画(計画の途中変更を前提とした商品開発および予算配分)、?マーケットの小ささにマッチした組織体系(小額の売上、成長を喜べるサイズ)を作ることが成功するためのキーとなってくる。・また、新技術が破壊的な技術になりうるかどうかは、?既存の主要技術の供給が市場の需要のスピードより早くないか、?新技術が既存市場の需要の要求を超える技術的進歩が見込めるかどうかを見極める必要性がある。これらの問への解がYESの場合、新技術が将来的に破壊的技術となりうる可能性がある。・破壊的技術の場合は先行者メリットが発生しやすいので早期にビジネスとして取組むことが大切であり、その導入の際には、マーケットが確定していないため上記の点を気をつけながらマーケット探しをしなければならない。

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: マーケティング
感想投稿日 : 2008年5月6日
本棚登録日 : 2008年5月6日

みんなの感想をみる

コメント 1件

kyancanさんのコメント
2008/05/06

・優良企業と崇め立てられた新興企業が更なる新技術が現れた際に、かつて自分達を勝利に導いてくれた新技術への取組に失敗し、マーケットトップの座を新企業に奪われてしまう現象がある。・これらに対して、大企業病、技術的な問題などが失敗に対する理由づけとして多く語れてきた。・が、実際には顧客の需要に耳を傾け、必要ならば新技術を猛スピードで開発できる企業さえも失敗している。・では、なぜそれらの企業が失敗したかと言うと、企業は大きくなればなるほど「既存商圏内」の顧客の声に耳を傾け、技術革新を推進していくことが確実に儲かる手段であるためである。・大企業が新興企業の破壊的な新技術に完敗してしまうのは、?新技術が既存客が商品に求めるプライオリティーと異なるため、?新技術のマーケットが予測不可能な上に、?利益率が既存ビジネスより低く、売上額も小額に留まるためである。・既存客に向けての開発の方が、予測可能で確実に儲けがでるため、社員は確実に売上、利益の上がる分野にリソースを振分、予測不能な分野に対して力を入れないためである。・新技術を新しいビジネス開発として成功させるためには、?市場の反応を見ながら商品開発ができる柔軟な計画(計画の途中変更を前提とした商品開発および予算配分)、?マーケットの小ささにマッチした組織体系(小額の売上、成長を喜べるサイズ)を作ることが成功するためのキーとなってくる。・

ツイートする