日傘のお兄さん

著者 :
  • 新潮社 (2004年3月17日発売)
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本棚登録 : 276
感想 : 65
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人と人との関わりで生まれる
暖かい感情が描かれている、と感じた短編集でした。

人の感情はきれいなものだけでない。
汚ない感情、惨めさ、多数に紛れて他者を批判する弱さ、
そういうものも沢山ある。

でも、ふれると温かくて涙を流してしまう・・・
例えば、ただただそこに居てありのままの自分を受け入れてくれたり、
自分が道を見失っている時、大切な人が努力して輝いていることだったり
(「日傘のお兄さん」・「ハローラジオスター」のような)

そんなふれあいを私は大切にしていたい。


この本は、豊島ミホさんが大学を卒業して社会人になる前、
これが最後の出版になるだろうと思って出した本だそうです。
だから、とても思い入れがあるのだとあとがきに書かれていました。
(結局、その後も作家を続ける決断をされています)

4つとも、小さくでも力強い輝きを放つ素敵な本でした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2013年11月2日
読了日 : 2013年11月2日
本棚登録日 : 2013年11月2日

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