小さき者へ・生れ出ずる悩み (岩波文庫)

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本棚登録 : 305
レビュー : 38
著者 :
l0l-l0l-l0l-l0lさん 小説   読み終わった 

【要約・感想】
「小さき者へ」
母を亡くした子らに向けて、慈愛に満ちた言葉を書き遺す父。
作家である前に父であり、父である前に人間であった有島武郎の率直な想いが綴られている。


「生まれいずる悩み」
生きて呼吸している地球から絶えず生まれ出ようとするもの、それを一つの作品たらしめるのは芸術家のほかにない。
しかし、生活苦より漁師として暮らす以外に途がない「君」は、芸術への未練を断ちがたく、さりとて家族を遺棄するに忍びない煩悶の日々を送る。
北海道・岩内の画家、木田金次郎をモデルにして書かれた本作は、漁師の厳しい生活、その生活から自らの進みたい方向へ一歩も進まれない苦悩、家族とのささやかな幸せ、その幸せに忍び寄る底の知れない不安などを描いている。
理想と現実とにすり潰され、日常に埋没するような虚無を味わったことがあれば、共感するところが大きい小説である。

レビュー投稿日
2014年7月15日
読了日
2014年7月15日
本棚登録日
2014年7月6日
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