座右のゲーテ -壁に突き当たったとき開く本 (光文社新書)

著者 :
  • 光文社 (2004年5月15日発売)
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【要約】
自分を限定して、小さな対象にエネルギーを集中する。
何かを勉強する場合、これをやるんだという気構えをもつとともに具体的かつ本質的な実践として応用しなければ意味がない。
日付を入れておく習慣づけをすることで、プロセスが記録化される。
自分の中にエネルギーをためて、完成まではみだりに他人に見せたりせずに胸にしまっておく。
他の作品から吸収する場合は、最高のものに触れ、独学に陥らないようにする。また、常に素材とならないかを意識し、決して使い尽くされないような資本を身につけるべく吸収するよう心がける。偏愛する対象を上手に選び、憧れの星との適度な距離感を保つ。さらに、異なる時代、異業種から刺激を受けたり、性に合わない人と付き合ったりすることで、人格に幅が出てくる。
作品を作る場合は、極端な独創性を排し、先人の遺産を引き継ぐかたちでモチーフに則る。癖や欠点がある人物にこそ魅力が宿る。大切な一人のために作品を作りこむと、そのテーマが普遍性を獲得することがある。
自分への投資、すなわち何に金をかけるかについて基準を持つ。一見するとつまらない儀式は音楽のようなもので、めいめいが拍子と休止を守っているにすぎないから、極端に不毛だと思う必要はない。
自分のやっていることが当たったら、徹底してすべてをつぎ込み、やり方を変えない。他方、それと同時に、作り上げた作品にむやみに執着しないことで、その作品に対して行われる批判から距離をおくことができる。
いいものであれば異質なものでもどんどん飲み込むタフさが、様々な面を束として捉えた「らしさ」につながる。
納期のある仕事に邪魔が入ることで質が高まることがある。
青春期には青春期らしいあやまちを十分にしておくことで、老年にそれを繰り返すことなく、かつ、後悔することもなくなる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 思考法・習慣・整理術・勉強法・方法論
感想投稿日 : 2014年6月22日
読了日 : 2014年6月21日
本棚登録日 : 2014年5月15日

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