ピンクとグレー

3.67
  • (151)
  • (277)
  • (234)
  • (58)
  • (15)
本棚登録 : 2034
レビュー : 332
奈良ヒロキヒロキさん  未設定  読み終わった 

『ふと、父がよく聞いていた吉田拓郎の歌詞が頭によぎる。その〈たしかなことなどなにもなく、ただひたすらに君がすき〉というフレーズは、あまりにもぴたりと僕の感情と一致した。それは恋とか愛とかの類ではなくて。』

「いい? 私たちの目に見える色ってのいうのはね、反射した光の色なのよ」
「あたりまえだろ」
「ということはね、吸収されなかった色を私たちは見ているの。つまるところ、その物質が嫌って弾かれた色が私達の目に映っているのよ。この石の灰色も葉の緑も、私たちの肌の色も。ごっちの赤いほっぺたもね。自分自身が嫌った色にしか他人の目に映らないの。皮肉でしょ」

「私は私の色を受け入れるしかないのよ。そしてその色をしっかりと見せるの。これが私の色なのよって」

『今までくっついていた二つの磁石が突然同極を向けて反発してしまった程度に思えたのだろう。反対向きに戻せば元通りになると。しかし実際は違う。僕らの磁石の間に強力で分厚い磁石が挟まったのだ。僕らはそれに引きつけられているが、阻まれてもいる。離れることも向きを変えることもできず、僕らはそこにいるしかないのだ。一枚向こうにいる彼をもう二度と確かめることはできない。』

「それでそこにはね、『今までありがとう。うまれてきてよかった。ダンスやってよかった。そして私はやるしかないの。やらないなんてないからね』ってあって…なんていうか、遺書とは呼べないほどカラフルで、きれいだったわ」

「わたしはやるしかないの。やらないなんてないからね」

『踊れなくなってもなお生きようとは思わない。生きているから踊るのではなく、踊るから生きていけるのだと。そうして姉は管を切った。』

『今までありがとう。うまれてきてよかった。芸能界に生きれてよかった。そして僕はやるしかない。やらないなんてないから。』

レビュー投稿日
2018年5月7日
読了日
2018年5月7日
本棚登録日
2018年5月7日
1
ツイートする
このエントリーをはてなブックマークに追加

『ピンクとグレー』のレビューをもっとみる

『ピンクとグレー』のレビューへのコメント

まだコメントはありません。

コメントをする場合は、ログインしてください。

『ピンクとグレー』に奈良ヒロキヒロキさんがつけたタグ

いいね!してくれた人

ツイートする