らくだい魔女と冥界のゆびわ(ポプラポケット文庫) (ポプラポケット文庫 60-10)

著者 :
  • ポプラ社 (2009年12月16日発売)
4.51
  • (34)
  • (7)
  • (7)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 263
感想 : 15
3

“「おまえっ、なにやってんだよっ」
チトセは顔をこわばらせて、声をあららげた。あたしは思わず耳をふさいで、
「うっ、わかってるよ!あたしだってすごく後悔してるし、なきたいんだよっ」
「オレがいってるのは、そのことだけじゃなくてなあっ。そうか……、あのあと、オレがちゃんと……」
チトセはうなだれてひたいに手をあてて、ひとりでぶつぶついうと、
「おまえ、ほんとひとりで街をふらふらあるくなよ」
「街をふらふらしてたことは問題じゃないのっ。変なおばあさんにつかまったことが問題なのよ」”[P.71]

10巻目。
カルガバールはまた以後にも出てきそうな雰囲気。

“「そのまえに、なにがあったかいえ」
「それは……いえないよ!あたしは、カリンをたすけたいのっ。一生のおねがいだから、協力してっ」
必死にそういうと、
「……オレはそんなにたよりないのか」
「え……」
チトセは顔をふせて、あたしの手をはなした。そして、
「もうすこしだからな。がんばれな」
カリンにそう声をかけると、あたしのよこをスッととおりすぎてしまった。
(なんか、おこってたみたいだけど……。でも、気のせいかな。そうだよね、いまは自分のことより、カリンのことをかんがえなきゃっ)
あわててふたりの背を追って、かけだした。そのとき、
『約束だ、わすれるな』
カルガバールの声が、頭の中にしみわたるようにしてきえていった。”[P.143]

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 新書本
感想投稿日 : 2014年6月21日
読了日 : 2014年6月21日
本棚登録日 : 2014年6月21日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする