春の庭 (文春文庫 し 62-1)

著者 :
  • 文藝春秋 (2017年4月7日発売)
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本棚登録 : 854
感想 : 58
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表題作、とてもよかった。西さんがすごく可愛くて、水色の家への異常な執着もとてもリアル。あと巳さんが西さんと主人公が部屋にいるのを見てニヤニヤするのも好き。なんか、西さんと主人公ができちゃったらいいなーと思わされる。2人の出会い方や仲良くなり方、でも特別に親密にはならない距離の置き方が、すごく愛おしい。
最後に姉の視点が紛れ込んでくるのはよくわからなかったが不快ではない。堀江敏幸先生の解説もなるほどと腑に落ちる。一昔前、卒業証書にサインしてくださいと頼んだら、それはやめておきなさいと忠告してくれた堀江先生。
他には最後の短編もしみじみとよかった。最後らへんの友達へのモノローグが急にどどどっと流れてくるところ、感情の激流ってそういう感じだよなーと思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2017年8月11日
読了日 : 2017年8月11日
本棚登録日 : 2017年8月11日

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