金沢でミニシアターを作り「こども映画教室」を開催する著者と、その映画教室にかかわった映画製作者による本。
映画の撮り方や映画とはなにか、といったことを講義的に教えたり、テクニックを教えるわけではない。
「映画を撮る」という行為自体を通じて、子どもたちに「新しい発見」を自分たちで見つけてもらう体験を共有する場なんだと理解しました。
スマートフォンでも簡単に動画を撮影することができ、アプリでそれらを簡単に編集できる時代。
アメリカなどでは、実際にiPadを使って動画を自分たちで作ってみる、というワークが授業であるようですが、子どもたちが自分でメディアを作るということの教育的役割を改めて考えてみたいと思いました。
簡単に撮影のできる動画と人になにかを訴えかける作品を作り上げる映画とは少し違うのかもしれない。
自分の思った通りの世界を人に見せたい、感じたことを効果的に伝えたい、というのを表現するのに映像を使うというのは、とても面白い。映像は、もっとも情報量が多くとても強い印象を与える。そのため、作る側の意図をどう反映するか、もすごく難しいものになる。
メディアリテラシー的なことももちろん教えていかなければならないけれど、そもそも、子どもに動画や映画を作る人がどういう意図をそこに与えているか、実際に自分でやってみる、新しい文化を発見してもらう、そうしたことを伝えられたらなぁ、と思って手に取った本ですが、様々な考え方が吸収でき、面白く読むことができました。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
育児
- 感想投稿日 : 2015年7月23日
- 読了日 : 2015年7月23日
- 本棚登録日 : 2015年6月22日
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