晩年 (新潮文庫)

3.50
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本棚登録 : 3456
レビュー : 245
著者 :
こむそーやさん 心の叫び   読み終わった 

ずっと「晩年」という作品があるのだと思っていたが、そうではなくこの作品集のタイトルだということを読み終わってから知ったという。
そして晩年に書かれたわけでもなく❨本人は遺書のつもりで書いたので意図としては晩年だが❩、作品集としては最初のものだというから、そのネーミングセンスからも著者のシニカルというかそういう視点の鋭さが伺える。

作品は様々な視点や手法を用いてかかれており、小説に語り手として著者を登場させたり自分の体験をもとにした話だったりかといえば物語だったりと同一作者か?と思うほど斬新。遺書のつもりの作品集、ということで恐らく著者もこれが最後と全ての手法やらを詰め込んだのだろう。
そのような手法を取り入れることで、ともすると一般人には不可解な生活をして不可解な思いを抱えている主人公、というだけに終わりがちな話を痛烈に浮かび上がらせているように感じる(一言で言えば、ツッコミ役を設けているということか)。

個人的には道化の華がよい。お互いの距離を計りながら自尊心を傷つけあうことを避けるよう接し方に気を使い合う友人3人の様子は、私にも心当たりがありすぎてギクリとさせられる。作中ではそんな関係に対して事実として淡々と語られているだけだが、著者に批判されているというか憐みの目で見られているような気がするのは気のせいではないかもしれない。

レビュー投稿日
2018年3月11日
読了日
2018年3月11日
本棚登録日
2018年3月11日
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